第13話 使命の存在
空の旅を満喫した俺は自分が開け放ったままにしていた窓から部屋に戻り、少し休憩する事にした。
もう夜は明けているが、まだ起きる時間ではないだろう。だというのに全く眠気がやって来ない……どころか、疲労すら感じない。
多分神獣って事が関係しているのだろう。まさにチートって感じだな…!
この身体ハイスペック過ぎてパネェっす!
特にやる事もなく広い天蓋付きのふかふかダブルベッドでゴロゴロしていると、コンコンッと小さくノック音が響いた。
「クロード、入ってもいいかしら?」
声の主はフィオナらしい。
俺は窓を開けた時の様に、魔力を操り扉を開けた。
魔力の扱い方はどうやら身体に刻まれている様で、神獣は人化の感覚を習得した後は誰に教わるでもなくどんどん上手くなっていくらしい。
『おはよ、こんな朝はやくにどうしたんだ?』
「おはよう。昨日は眠れなかったでしょ?そういえば言い忘れてたと思って」
『あ、やっぱりか。しんじゅうは眠らなくてもだいじょーぶみたいな?』
「そう、理解が早くて助かるわ。夜の内に教えに行こうかと思ったのだけど、貴方は遊びに行ってしまったものだから」
『あー、ごめん。なんかずっともやもやしてたんだよ』
「ふふっ、いいのよ?神獣も本能に身を任せる事は少なくないわ。私も生まれたての時は良く走り回ったものだもの」
『そーいうもんなのか?まぁ、フィオナが言うならそうなんだろうけど』
それからは暇だったので、2人でソファーに座ってこの世界の事や俺が元いた世界の事等、ティフラインが迎えに来るまで色んな事を話した。
正直、元の世界に未練がない訳ではないが、朧気な記憶しか残っていない現状を見れば、戻る方法があったとしても新しい世界であるこちらを選ぶ気がする。
懐かしむ気持ちがあっても、この身体に刻まれた使命の存在が大きいからかも知れない。
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