第8節
檻の中のお前を見た。
お前はいかにも窮屈そうで、
退屈そうで、
その目はただ風を見ていた。
愁いを帯びた眼差しで、
こちらをちらとも振り向かず、
風を見て、
風になりたそうなお前を見て、
僕は決意を新たにする。
不思議な気分だった。
思いを馳せていたお前は、
僕の心の中では随分様変わりしていて、
改めて本当のお前を見たとき、
その美しさに再び心を奪われる。
愛おしいユニコーン。
もう少しで、願いは叶う。
僕とお前は風になる。
もう少しだけ、
その狭い檻の中で、
待っていて欲しい。
いずれ必ず出してやる。
そして共に、
風になろう。
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