第7節

僕は大切なことを忘れていたらしい。

長いこと上手くいかなかったことで、

苛立っていたのだろう。

お前に乗ることは楽しいことだと、

そういう思いを忘れていた。

駄馬に乗ることも、

決して苦痛ではないのだ。

試練ではあれど、

いやな気分でやるものではない。

そんなことを忘れていたから、

駄馬も言うことを聞かなかったのだろう。

改めて、

楽しく乗ろうと、

そう思って乗ってみると、

駄馬は久しぶりに素直になった。

まだ気性の荒いところはあるが、

乗っていて楽しい。

この思いを思い出させてくれてありがとう。

一緒になったら、

存分に楽しもうじゃないか。

待っていてくれ、ユニコーン。

もう少しだから。

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