第2節

僕は決断が遅い。

いつでもそうだ。

まずは考えてからと、

そうして機を失う。

しかし、今回は違った。

お前に乗ると決めて、

僕は即決で決断した。

お前に乗るためには、

必要なことが多い。

今、僕がお前に跨っても、

軽くふるい落とされてしまうだろう。

お前に乗るためには、

まずは不愉快だが、駄馬に乗る必要がある。

だが、今去勢された駄馬に乗っても、

僕はそれすら乗りこなせないだろう。

惨めに振り回され、

地面にたたきつけられる。

その様を自ら思い描きながら、

僕は育成所の扉を叩く。

ここから、僕の戦いが始まる。

ユニコーン、

必ずお前を手に入れる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る