微分積分・基礎(微分積分の歌あり)
微分積分の歌
微分積分 分からない?
名階先生に おまかせください
今から5分で 教えるよ~
まず微分
y=x → y’=1
y=x² → y’=2x
y=x³ → y’=3x²
分かったかな?
一般化すれば y=xn →y’=nxn-1
これで接線の 傾き分かる
次積分
y=x → ydx=1/2x²
y=x² → ydx= 1/3x³
y=x³ → ydx=1/4x⁴
分かったかな? 微分の逆
xの次数を上げるんだ
これで輪切りだ 体積すぐだ
はい終わり
生徒「終わるな~!」
豪快な女先生(名字「名階」)「何でだ? これが微積だ これだけだ♪」
生徒「すみません。全然わかりません。だいたい、y=x²の傾きが、2xって変じゃないですか? いつでも2xなんて。下に下がっているところもあるじゃないですか。マイナスにならないんですか?」
先生「傾きって言っただろ! xに値を入れるんだ。例えば、x=-2なら、傾き-4、x=2なら、傾き4だ。どうだ。これでおかしくないだろう。」
生徒「あ、ほんとだ。」
先生「これは傾きだけだからな。本当に接線の式を求めるときには、傾きm、点(a,b)を通るとしたら、接線は、y=m(x-a)+bの式を作るんだぞ。mは、微分のy´の式でですぐに出せるな。」
生徒「はい。まあ…。」
先生「まずは微分から詳しく説明するか。
微分の一つ目のいいところは、接線の傾きが、瞬間瞬間でわかることだ。つまり、とある瞬間のグラフの傾きが分かるのだ。接線の傾きとは、そういうことだ。
たとえば、『加速している飛行機の、10.0秒後の速度』と言っても、実際には操縦席でスピードメーターを見ていても、外からスピードメーターで計っていても、一瞬のことでわからないが、加速度と現在速度との関係をグラフにして、そのグラフの微分の式を作り、『10秒目の傾きは?』と、x=10を代入すればすぐに出てくるわけだ。それが3次式、4次式になろうともな。」
生徒「あ、それ使えるかも!」
先生「そうだ。微積はすこぶる役に立つ。しかも簡単で正確だ。
2つ目のいいところは、何次式だろうと、どんな風にぐにゃぐにゃしているグラフか、簡単にわかることだ。ここで使うのは、y’=0になるのは、x=何の時か、という事だ。
y´=0つまり、傾き=0になる時というのは、どんなときだ?」
生徒「えー!」
先生「傾きの時は自分で演算して気が付いたな? それと同じy=x²の式を使ってみろ。」
生徒「y´=2x=0になるのは、x=0。グラフの底のカーブのとこ?」
先生「その通り。上がっても下がってもいない時だ。カーブを描いている時だ。つまり、y´=0のときは、xは何かを調べれば、どことどこでカーブを描くかわかるわけだ。
で、このy´=0になるときのy値を、『極大値』『極小値』とよんでいる。実際には、最大値でも最小値でもないが、一時的に最大/最小になるからだろうな。
極大、極小とその前後のy値を求めれば大体のことは分かるな。上向きのカーブか下向きのカーブまで正確に描ける。
極大極小の前後で上がっているか下がっているかを表と矢印で書かされることがあるぞ。
高次式のグラフというのは、問題で結構書く必要に迫られるが、手掛かりにできるのは3つある。
さっき言った、微分式から極大値、極小値を求めて、カーブの頂点を見つける。余裕があったらその前後の点も、計算して求める。
x=1、0、-1とかの、計算しやすい点を求める。
高次式そのままで因数分解できそうなら、思い切ってやってみる。x軸との交点が分かるぞ。
これで、5次式だろうが、6次式だろうが、どこで折れ曲がるかを正確にぐにゃぐにゃと、書けるわけだ。
ためしに計算しやすくした6次式のグラフを書いてみるか? いや、今日はやめとこう。」
生徒「ほっ。(~~)」
先生「後で暇があったら、一度くらいためし書きしておくと、便利さが身にしみるぞ。
理解したか?」
生徒「まあできたと思う。問題とかやらないの?」
先生「やらない。今日は短い授業だから。かといって、やらないのはいいことじゃないぞ。せっかく理解したんだ。簡単なレベルから始めて、しっかり定着させておけ。
いいか、勉強のコツは、『ほんのちょっと頑張ればできるというレベルの問題を解くこと』だ。
いきなり難しいことやってもすぐに息切れするし、たくさんできないからな。楽にできるなと思ったら、次のレベルに進む方が、たくさん問題を解けていいんだ。Ready?
次積分行くぞ。」
生徒「はあ。レディです。」
先生「積分式の作り方は、微分の逆だ。「積分します」という印に、“dx”を、「xはどこからどこまでです」という印に、“∫”(インテグラル)を使う。
このsの伸びたのは、見たことないか?」
生徒「ないです。初めて見た。」
先生「微分積分は学校の授業でやっただろ!」
生徒「飛ばしたから。かなり。言われてみればあったような気もする。」
先生「分かった。式の例を見たほうが速いな。
f(x)=x²の積分式。 f(x)dx= 1/3x³。
で、-1から1までの面積を求めるとすると、…おい、君も書け! 練習だ!∫の下に小さい数字、上に大きい数字を書くのがルールだ。
ここなら、下が—1、上が1だな。で、∫_(-1)^1▒〖f(x)dx=〖[1/3 x³]〗_(-1)^1 〗。
この“[ ]”は、積分した後は、∫ではなくて、なぜかこのかっこを使うルールなんだ。この“[ ]”にも、上と下に「どこからどこまでです」という小さい数字を入れるぞ。」
生徒「できた。これでいい? ∫_(-1)^1▒〖f(x)dx=〖[1/3 x³]〗_(-1)^1 〗 」
先生「OKだ。で、大きい方から小さい方を引く。大きい方f(1)=1/3、小さい方f(-1)=-1/3、で、f(1)-f(-1)=1/3-(-1/3)=2/3。
OKか?」
生徒「うーん。つまり、x=何かを、積分の式に代入すると、そこまでの面積が出るってこと? で、大きい方から小さい方を引いて、間の面積が出ると?」
先生「そうだ。x軸よりも上の面積がな。x軸よりも下の面積を計算すると、マイナスの面積になるから注意しろ。
よし、一緒にやってちょっとは分かったろ。今度は問題行くぞ。」
生徒「待って! なんでこの式に代入したら面積が出てくるのか、さっぱり分からないんですけど。」
先生「それはな…。私にもはっきりと説明できん。とにかく積分すると面積が出るんだ。」
生徒「な!…。でも、歌の中に、『輪切りにすると面積が出る』って書いてあるじゃないですか!」
先生「私が作った歌じゃないから、知らん。」
生徒「…それで教師って言えるんです・か!」
先生「自慢じゃないが、私は教育の専門家であって、数学の専門家じゃない。教育の専門家だから、知らんことをごまかしていい加減なことを教えたりはしない。
調べたんだぞ。ずいぶん。どの本にも説明はしてあるんだ。積分は、『今ある式を微分式にしてしまう式だ』という事だ。
そうすると、さらに上の次元の立体を表す式となって、今ある式が傾きを示す式になるという事だ。そして、傾きすべて足していけば、傾き×x座標の数×1/3 とか1/4とか、で面積になるという話らしい。なんでこれが面積を示すことになるやら、証明の過程がさっぱり分からん。高等数学は、敬して遠ざけるのがいいんだ。細かい理屈は抜き!
本当は、この積分式には、あるかもしれない数字の、“C”をくっつけるのが正当なんだが、どうせ足し算引き算すると消える数字だから、歌にも載ってないだろ。いらない理屈は、後から覚えればよし。まずは基本だけ、大事なところだけ覚えるんだ。
ただ、実際にやってみると、確かにこの式で面積が出るんだ。見てみるか?」
生徒「見たら分かるかも。」
先生「見たら簡単だ。f(x)=xの式。三角形を描いている。x=0~3までの面積は?」
生徒「普通に求めていいの? 三角形の公式で?小学生のころにやったので?」
先生「それでやれ。」
生徒「底辺3×高さ3×1/2=9/2。」
先生「それを積分を使ったら?」
生徒「∫_0^3▒〖f(x)dx=〖[1/2 x²]〗_0^3 〗=1/2×3²=9/2。ほっ…。できた…!」
先生「で、面積一緒だろう?」
生徒「はあ。そういえば。」
先生「次長方形。f(x)=3の式。まっすぐの線を書いている。x=4で区切れば長方形。x=0~4までの面積は?」
生徒「おんなじことするんですか?」
先生「そうだ。今度は長方形の公式でな。小学生のころに習った。」
生徒「底辺4×高さ3=12」
先生「積分では?」
生徒「∫_0^4▒〖f(x)dx=〖[3x]〗_0^4 〗 =3×4-0=12! できた!!!\(◎o◎)/!」
先生「で、同じだろ?」
生徒「できましたよ! 積分!たぶん微分も!」
先生「できるとも。自分で確認確認するし、問題集にたくさん当たればもっと伸びるぞ。やっとけよ。今日はこれで帰る。」
生徒「えっ?もう帰るんですか? 1時間もたってませんけど? 」
先生「実は塾講師の仕事を、何かと言い訳して抜けてるんだ。早く帰らないとダメなんだ。また来られるか分からんが、ちゃんと問題当たるんだぞ? 簡単なやつからな!」
生徒「また来てくださいよね。」
*参考文献「ライトノベルでわかる微分積分」野口哲典著です。
一次関数からの解説ありで、しかもライトノベルのなので、さくっと読めます。すごくわかりやすい本でした!
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