四
あくる日の夜、中学以来の顔馴染みに呼ばれて、和久田は寿司屋に行った。
めいめいベルトコンベアから皿を取りつつ番茶を飲んだりたわいもないことを話したりしていたが、ふと一人が、あ、と声を上げた。視線が集まる。
「まあ全員聞いてると思うんだけどさ、白いパルタイの話、知ってるよな。まあ聞け、それでさ、なんかその白いパルタイと、青い……? そう、パルタイの青い奴が、なんか、戦ってる、らしい、みたいなのをさ、俺前聞いたしんだよ。白い方はなんか兎みたいに耳生やしてて、青い方は背中に羽が生えてるとかいってさ、ぶわーってさ、それで飛んでるっていうのよ」
――青? パルタイで青いと言ったか?
「へえ」だの「青いって何だよ」だのと口々に言う中、和久田はどうしても彼等の言葉に内心強く反応していた。和久田はパルタイについてほとんど何も知らない。橙や緑、白のパルタイがいるらしいということはこれまでのフェルミの口ぶりからわかっていたものの、パルタイが色一つにつき一人だとは一言も言っていなかった。青い髪と瞳のパルタイは他にもたくさんいるかもしれない。しかしそのほとんど何も知らない状態で「青いパルタイ」について言及されれば、どうしても真っ先に頭に浮かぶのはフェルミである。
思い返してみれば、肩の数字が減っていたことがあったようにも思う。片方の「1」はいつも変わっていなかったが、もう片方の数字は、あの変化のたびに変わっていた、ような気がする。あの数字はインベーダーゲームなどの「残機数」のようなもので……いや、いや、まさか! さすがに考えすぎだ、和久田はすぐにその考えを投げ捨てた。
しかし他方で、和久田は、自分でも本当にフェルミに肩入れしていると思う。再三部屋にあがりこまれたところで別段追い払うようなこともしていないし、こうして旧交を温めに来ているときでさえ、肌身離さずあのゼンダーを持ち歩いているのだから。
トイレに立つと西門もついて来た。用を足していると、二つ隣に立つ西門が言った。
「フェルミちゃんさ、どう?」
「どうって」
「やっぱり美人って思う?」
「まあ」
美人。そう、フェルミは可愛いというよりかは、美人、という言葉が似合う容姿の持ち主だった。西欧風の顔立ちが、可愛いという言葉との不一致を生じさせている。女子には可愛い可愛いともてはやされているが、辞書的な意味における「可愛い」と彼女とは必ずしも重ならないように見えた。
なんだ光生、フェルミに気があったりでもするのか。
「小澤は結局違うのか、あれは」
和久田は西門邸の隣に住む女生徒の名を挙げた。この小澤はフェルミのようについ最近引っ越してきたのではなく、西門とは十年以上の付き合いがある。
「違うよ」
用を足し終えて手を洗いに水道の前に立つと、壁一面の鏡に二人の像が映り、和久田の目と像の西門の目が合った。すると西門は、仲間内以外では決して見せることのない、醜さと悪徳を含んだ笑みを浮かべた。
「徹はどうなんだ。フェルミとは、何もないの?」
「ないよ」
何もない。部屋に上がり込まれ、買い置きの菓子を食われたりしているが、それだけだ。肉体的、精神的に、互いを極度に特別視するということはない。その点で「何もない」、「何かしら特別な関係にあるわけではない」は真だ。しかし「学外では一切関係がない」といえば、偽である。その曖昧さを自覚していた和久田の声は、発話されるにあたり、ややぶれた。
「そう。おれは好きだな、ああいうの」
自動で出てくる水で手を流しながら言った。薄いハンカチを取り出して、濡れた部分をおさえるようにして水気を拭き取る。
優雅な風さえ感じさせる動きである。それでいながらその美貌の少年の顔には、悪徳を絵に描いたような笑が浮き上がっているのだ。和久田はその姿に、この同級生の底知れない何かを感じ取らずにはいられなかった。それはあくまでフェルミら《パルタイ》とは異なる、いたって人間的なものである。いたって人間的な異様の感じである。西門は続けて言った。
「あと武藤も。きれいだよな」
「怖いって言ってなかったっけ」
「怖い。うん、実際怖いところもあるよ。でも目が覚めるくらいきれいだ。少なくともHuebschって感じじゃない。何だろうな、徹はわかるだろう?」
ハンカチをズボンのポケットに突っ込んで、西門は直接和久田の目を見て言った。彼は和久田がドイツ語の学習を始めたのを知っているのだ。教えたのは和久田だった。ある一語について、オランダ語の知識のある彼に教えを請おうとした。
手慰みに英語以外もやってみようと思った、と弁明した。フェルミについて話したことは一度としてないし、単に自分の趣味であると説明している。
わかるだろう、という言葉……すぐには答えかねるものだった。しかし和久田はそこで答えに窮するわけにはいかなかった。そうだなあ、なんてことを言って間を持たせてもよかったかもしれない、しかし和久田の頭にはその選択肢はなかった。心に秘めたこの倒錯を、まかり間違っても外に漏らしてはいけないのだ。一分の隙も許さない思いで、和久田はあらかじめ考えていた切り返しの言葉を言った。
「まあ、だろうね」
和久田も手を拭き終えて、さあ出ようといったところで、先行する西門がふと足を止めて、なあ徹、と言った。
「これからどうする、お前」
その声の持つ重々しさの感じから、和久田はすぐに彼が何を言わんとしているかを理解した。
本当に、いいのか? 正義活動をもう金輪際辞めるつもりなのか。
「おれらは今手を洗った、お前は足を洗った、もうそれきりでいいのか」
和久田がその活動を打ち切った当初から、明に暗に不満を表明していた。今だって、肩越しにわずかしか顔は見えないが、ついさっきまであった悪徳をたたえた笑みは消えていることだろう。
「何もしないよ。大人しくしてるつもりだ」
「あれは別に、運が悪かっただけだろ」
西門は和久田など比較にならないほど聡明で頭の回る人間だ。和久田の諦め、行為ではなく自らの生まれついた星に対する諦めを、彼はうまく隠し通しているのか、それとも西門がそれを見抜いた上で無視しようとしているのか。和久田には確かめる術がなかった。
「まあ、そうだな」
だが和久田は紛れもなく、自らの運命とでもいうべきものに対する強い諦念を抱いていた。展翅中の蛾に無遠慮に触れて翅を崩し、それを隠蔽しようとして全身を粉々に潰してしまう、その所業自体ではなく、自分がそのような人間であることに嫌気がさして、和久田は正義活動の一切を捨てたのだ。
確かに運が悪かったのかもしれない。しかし和久田には、和久田徹として生きている限り自らの意思に基づいた行動による正義の実現、悪を懲しめ善を勧めるということを、上首尾に実行できるとは、到底思われなかったのである。
「でも『運が悪い』で片付けちゃいけないことだろ。だからおれはやめにしたんだ」
「そう」
それきり西門は何も言わず出て行った。
トイレを出て、和久田はふと西門の笑顔について思い至った――醜い? いや、醜いというのは偽だ。悪徳に醜さを重ねるのは、転倒というものだろう。
席に戻ると、その途端に携帯電話が鳴った。LINE通話で、フェルミからの着信であった。
「誰から?」
「家から」
席を離れ、店舗の端まで歩く。
「もしもし」
『あ、出た出た。遅いじゃないですか』
電話越しでもやはり甲高く聞こえるものだ。むしろ電話越しの方が普段より甲高く喋っているかもしれない。
「沼田たちと――いや――西門たちと寿司来てんだよ、回転寿司。席出てたんだ」
『そうですか、ええ』
「何か用でもあるのか」
『はい?』
「何もないのにわざわざ電話なんてしないだろ」
『声を聞きたかったから』
甲高かった声が急に小さくしっとりとした感じを帯びて、それがいやに色っぽく聞こえた。不整脈のように、一拍ごとに心臓がもんどりうっているのを感じた。向こうのフェルミはその和久田の反応を知ってか知らずか、またも優しい調子で、駄目押しとばかりに続けて言った。
『とか、駄目ですかね?』
頬と耳が熱くなっている。和久田は胸を押えて、スピーカーから耳を離した。まだ心臓がぎくしゃくしている。
『もしもーし?』
「何もないなら切るぞ」
『ああー、待って待って! 用ならあります!』
「何」
『今からですね、LINEでグーグルマップのスクショ送りますからね、ちょっとその場所に来てほしいんですよ』
「はい?」
妙な頼み事だった。口頭で説明できない場所なのだろうが、一体どんな場所に和久田を呼び出そうというのだろう。
『いいですよね?』
和久田は横目で西門らのいる席を見た。
「呼び出してどうしたいのかによる」
『パルタイについて、少し話がありまして』
断ろうとしていた和久田の気持ちが、少し傾く。
一月からこっち、パルタイについて何事かをフェルミが勝手に、時折もらすことはあった。曰く、「アポロンとディオニュソス、人間とパルタイ、その関係は相似なんですよ」「天上ではなく大地への意志、火ではなく土です」など。しかし彼らについて和久田が問うても、彼女は一貫してはぐらかしてばかりだった。
『パルタイの最終目的はもちろん《超人》です。では《超人》とは? そろそろその答えを、お教えしようと思いましてね』
どうして今になって、とは思った。しかしその疑問は甚だ小さなもので、巧みにはぐらかされ、興味をそそられていた事柄がようやく明かされるとあって、和久田はすっかりその疑問を投げ捨ててしまっていた。
「わかった。どこに行けばいいんだっけ?」
『通話切ったらスクショ貼りますから、そこにお願いします』
四
指定されたのは高校と隣接する住宅街の一角にある小さな公園だった。せいぜいその住宅街に住む小学生が待ち合わせに使うくらいしかできないような小さな公園である。夜に人が出歩くということがあまりない場所で、高校を囲う住宅街には街灯もまばらで、街道から離れていることもあって夜の闇がほかよりも濃いように感じられた。夜の黒と対照的な白い街灯の光の周りには指先ほどの大きさの蛾が飛び交っている。
沼田たちと別れて、その公園さして夜の住宅街を自転車で進んでいった和久田を、突然の寒気――のようなもの――が襲った。風が吹いたわけでもないのに、空間に生じたさざ波が一瞬のうちに全身の皮膚を撫でまわしていったような、奇妙な感覚……しかし、いつもとは違う。普段フェルミが《変化》したときに感じるものよりも、強いような。
どこからだろう? 和久田は足を地面に着けて周囲を見渡した。皮膚表面の産毛を焼いていくような空気の震えにはわずかに偏りがあり、和久田の肌は、その感覚の濃淡から大まかな方向と位置をつかむことができた。しかしこれは実のところ、和久田の持つ野生の勘とでもいうべきものがとくべつ強いために可能な芸当で、たとえば井坂などでは、どうだろう、きっとできないことだったに違いない。
一番東に幹線道路があり、そのすぐ隣に一城高校、その西には住宅街が広がっている。和久田がいるのはその住宅街の中の一角で、おおよそ碁盤の目に近い形で整備された道程の半分ほどに和久田はいた。奇妙な感覚は住宅街の公園側から届いていたので、和久田はフェルミの顔と、それから沼田が語ったことを思い出した。巾着袋からゼンダーを取り出し、右手に握り込んで、自転車を漕ぎ進んだ。
この時の和久田が犯していたミスを一つ上げるなら、それはパルタイというものに対してフェルミのようなケースしか想定していなかったことだろう。彼は人間の魂を集めるともいわれる一団に対して、人の家に勝手に上がり込んでその一家といつの間にか仲良くなっている、まるでぬらりひょんのような女子以外のイメージを、まったく持ち合わせていなかったのである。
人間の魂を奪う――そのような物騒な一団の中に、たとえば和久田がよく知るあのグロンギの怪人たちのようなものがいないとどうして断言できるだろう? あるいは《超人》などはなから眼中になく、人間を殺すこと自体を喜ぶような、あのダグバのようなものだって、いないとは限らない。彼らパルタイが人間の価値観の埒外にあることは和久田だって把握していたはずなのに、そこまでは考えが至らなかった。
道を歩いていくにつれ気配が強まっていく。向こうも向こうでこちらに気付いて近寄ってきているらしい。フェルミかもしれないし、あの兎の耳をはやした白いパルタイかもしれない。ただフェルミだとしたら、彼女を家まで送り届けたかった。何かゆえあって《変化》しているのだろうけれど、パルタイは無関係と思しき人間がいる前でも平然と《変化》するものだろうか。あの「異常さ」は目立つし、フェルミが特殊なだけで多分しないだろう。
もしかするとおれは現状にクウガやグロンギを期待しているのかもしれない。《超人》を目指すというフェルミらパルタイに深く関わることができれば、もしかしたら、あの英雄が一年にわたって足を踏み入れることとなった尋常ならざる世界を、俺も見ることができるんじゃあないだろうか。目の前にあの異様な気配の主が現れたのは、和久田がそんな緩みきった思考をしていた、ちょうどその時であった。
その影はいつの間にか和久田の目の前、十字に交差する道の真ん中に、膝を曲げ姿勢を低くして立っていた。あたかも跳躍ののち着地し次の跳躍への予備動作をしているかのように。
二人の距離は十メートルとなかったので、和久田はその人物の様子を事細かに目にすることができた。肌はよく洗われた絹糸のような白銀色に輝き、肩までかかるまっすぐな髪も同様であった。兎の耳の形をしたものが頭から生えている。これは厳密にはカチューシャのような形で頭頂部を一周している黒い帯から生えているもので、両端はヘッドホンのように耳を覆っていた。真黒な洋装で、胸には三時を指した金時計のワッペンがあてられ、足に纏うのはトゥシューズのように小さな、これまた黒い曲線の輪郭を持つ靴だった。少なくとも和久田が見たことのあるような代物ではない――鼻から下を覆うタイプの、ごく普通のマスクを着けていて、そこだけ妙に浮いたようになっている。そして和久田がもっともひきつけられたのは、これらのどれでもなく、ただその人物の二点のみだった。
それは目と、手。白目に至るまで全体が赤々と血の色に輝く目と、着ている洋装よりもよほど黒い、光さえ食い尽くすような黒い色をして、両の手に嵌められている、流線型の輪郭を持ちながら指の腹側には先細りする鋭い爪を備えた手甲。薄暗い中でもはっきりと輝く目と、あらゆる光を呑み込むような手甲との二つは、空間全体を震わせるほどの殺意を放っていた。
殺意……なぜ彼が初めて感じるそれがずばりそのものであるところのそれであるかわかったのかといえば、白いパルタイの放つ気配に含まれた、極限まで肥大し先鋭化した莫大な害意にあった。これほどの害意、攻撃性の意志を、和久田は今まで一度として感じたことがなかった。
ゆっくりと進んでいた自転車のブレーキレバーを力いっぱい握りしめた。内臓を上から下まで巨大な手に鷲掴みにされたようだった。視界がぐにゃりと歪んで平衡感覚が失われる。自転車が左に傾き肩からアスファルトの地面に落ちる。背中を巻き込んで衝撃を逸らしたが、どうすることもできない。背中から、腋から、二の腕の裏から、内腿から、冷たい汗が一斉に噴き出す。右手は律儀にゼンダーを握りしめ続けている、まるでそれが命綱か何かでもあるかのように。和久田は目の前の異形の持つ爪に喉笛をぱっくりと切り裂かれる様子を想像した。
しかし、その赤い眼球に溢れんばかりの害意はすぐに薄れ、白いパルタイはトウシューズ様の靴のつま先を一歩また一歩と進め近付いてくる。白銀の髪が揺れる様子に、和久田には彼が幽霊であるかのように見えた。その目は和久田自身から移り、何か別のものを探しているように思われた。和久田は手の中で冷たい汗に濡れたゼンダーを思い出した。フェルミは言った、願いが決まったならばゼンダーの青いボタンを押せ、その場で願いを叶えてやることもできる。この小さな端末は通信端末としても機能するらしい。しかしこの場で彼女に連絡をとったところで一体何になるというのだろう? 和久田がここで斬り捨てられるのみならず、もしかするとフェルミまでも巻き添えをくらうことになるかもしれない。そのくらいならいっそ、このゼンダー自体を武器にしてしまえばいい。
和久田は地面を転がって自転車から離れて起き上がり、片膝をついた状態から、殺意が形をとったような目の前の白いパルタイの顔を狙って左手のゼンダーを投げつける。
その軌道をせめて途中まで見届けて、それから一目散に走って逃げるつもりだった。ゼンダーはゆっくりとした速度で、縦に回転しながらゆるやかな弧を描いて飛んでいく。白いパルタイは突然の和久田の挙動に足を止め、投擲されたゼンダーを赤い目で見据える。空気が水飴のように粘性を増したようだった。そしてその粘ついた大気を凍りつかせる、莫大なエネルギーの膨張があった。
ゼンダーを前にした白いパルタイが、夜空の星の瞬きの十分の一にも満たない時間をおいて、先鋭化した攻撃の意志をその視線に乗せ、飛んでいるパルタイのアイテムを空気中に串刺しにして制止せしめたのである。いや、あるいはそれは、張り詰めた和久田の神経が見せた幻だったかもしれない。黒い礼服の周りの空気が膨張する熱的な害意に燃やし尽くされて空間を焼き、その意志の象徴たる手甲の爪が原子を構成するクオーツさえも分解消滅せしめているかのように思われた。流線型のつま先が地面を蹴ると白いパルタイは爆発的な速度で前進し、半身に近い姿勢でまっすぐ前に伸ばした右手の、指全体の三倍近い長さまで伸長した爪の先端で刺し貫くと、ゼンダーは少しの間をおき青い火の粉をまき散らしながら四散して、その火の粉をくぐりながら白いパルタイは勢いをそのままに宙を舞い、空中で縦に回転して和久田の頭の上を飛び越して、体操選手を思わせる回転を繰り返して和久田の前方六メートルほどの距離に着地した。
和久田は結局一歩として動くことができなかったことに、白いパルタイが自分の方を向いてまっすぐ着地したのを見届けた時に初めて気付いた。彼は白いパルタイが着地する瞬間、直前までほとんど背中を地面に叩きつけるような角度だったのが、まるで映画のフィルムを動作の途中で切断して繋いだかのように、着地するときには両足をそろえて綺麗に着地しているのを見た。
直立する白いパルタイが、赤い目で未だ膝立ちの和久田を見下ろす。息一つ乱していない証拠に、不織布のマスクはぴくりとも動かない。
ああ自分はここで死ぬのだ、ろくでもないことに首を突っ込もうとしたばかりに、フェルミに自らの願いを打ち明けることもなく、武藤に指一本触れることもなく、殺人を嗜好するパルタイに首を輪切りにされて死ぬのだ、そうに違いない……しかしそう考えたところで和久田は、白いパルタイの赤い瞳に先ほどまでのような強い害意が宿っていないことに気が付いた。中空を舞う青い火の粉をみつめて、ゼンダーと火の粉とが完全に消え去るまで見届けると、和久田の頭上をひと跳びに越していき、来た道を戻っていった。
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