第74話 DDRパフォーマンス大会 その3
「さぁ早速集計が完了したようです!得点は左から・・・4点、5点、4点、8点、8点・・・合計29点!」
所々でブーイングが上がる光景にやはり帝国の国王は驚いていた。
国のTOPにブーイングなんかしようものなら、帝国であれば不敬罪で罰せられるのが関の山である。
にも関わらずコンマイ国王もガム国女王もドヤ顔を国民に向けていたのだ。
全く理解の及ばない状況に困惑しながらも会場の空気に呑まれ始めた帝国国王。
次はどんなものが飛び出すのか年甲斐も無くワクワクしているのであった。
「続きましてエントリーナンバー3番!アイとマイとマインの魔族3姉妹だぁー!!!!」
会場の熱気が一気にヒートアップした!
仕方があるまい、前回のパフォーマンスを見た者は思い出して前屈みになっていたのだ。
座っているコンマイ国王も鼻の下が伸びていた。
「ちょっと何で最後の方にエントリーしたのにもう出番なのよー!」
「いいから早く準備するわよ!」
「急げ急げー!!!」
慌ててシレーヌの近くから飛び出した3姉妹、御存知魔王サタンの娘達である。
さり気なくロクドーにウィンクしたりしていたりする。
「少しだけ待って下さいね~」
マインがそう伝え筐体の上を重力魔法で浮かせた布で隠した。
その中で慌てて着替える3姉妹。
その光景に帝国から来ているポポロは前世の記憶を手繰り寄せていた。
(なんだ・・・知らない映像が・・・これは・・・番組?)
彼は転生前は日本人であった。
そして思い出すのは、アイドルが急いで生着替えを生放送でやると言う昭和の番組であった。
知らないはずの記憶、だが人の三大欲求である食欲、睡眠欲、そして性欲は本能を刺激して前世の記憶を引き出していた。
徐々に・・・徐々にであるがポポロは記憶を取り戻しつつあったのだ。
「ちょっとマイン!布が上がりすぎよ!」
「えっ?!ちょっと見えちゃうじゃない?!」
そうしている間も生着替えは続行されていた。
魔法を維持しながら着替えるのは難しいのか隠している布が少し上に浮きすぎて足首までが見えている光景。
何人かの男性が首を横にしている光景に白い目を向ける女性陣。
異世界でもエロは変わらなかった。
そして・・・
「おおっといつの間にか選曲が決まっているようです!それでは好きなタイミングでスタートして下さい!」
いつの間にか曲がセットされており何の曲をプレイするのか伝わってきた!
その曲名は・・・『stomp to my beat』
地域によっては『ストマイ』だとか『ストンプ』と呼ばれていた隠れた名曲である。
通称『ドブ妻ビッチ』と言われるこの曲はビートが凄く利いてるノリが凄く良い曲である。
カン!カン!カン!カン!と4分に合わせて鳴り響く音が印象的なこの曲、決して後ろでポウポウポウポウと一緒に歌ってはいけない・・・
歌うと・・・踏んでるリズムがズレるのである。
バサッと布が下へと落ちて観客が一斉にオオオオオオオオオ!!!!と歓声を上げる!
まだパフォーマンスは始まってもいないのに会場の空気は桃色一色であった。
それも仕方あるまい、3姉妹はピンクのフリフリドレスに着替えていたのだ。
選曲を決定しようとマイが手を伸ばすとその可愛いお尻が強調され男性人の前屈みが深くなる。
「それではどうぞー!」
視界が空気読めと突っ込みを受けそうな中スタートを促し曲が始まった!
レベルはベーシックダブルを3人で踏むスタイルなのかと誰もが見守る中、彼女達は期待を裏切らなかった。
投げキッスから始まりセクシーに腰をクネリながら3姉妹はDDRをプレイしていると思わせない動きで歩き回りながら踏んでいく。
時に指で体をなぞり、時に客席に微笑を向けて観客を魅了していく。
そして、それはやって来た。
カン!カン!カン!カン!と言うリズムに合わせて3姉妹は画面側を見て腰を順に斜めに突き出す!
セクシーを前面に引き出した3つのヒップが音に合わせて順に流れる!
とある人は言った。
『人類が4速歩行だった頃、目の前に在ったのはおっぱいではなくお尻である』
動く3つのお尻にお知り合いになりたいのか男性客の顔がお尻と同じ方向に一斉に動く。
最早ホラーであった。
そして、最初のラッシュがやって来る!
カンカンカンカンカンカンカンカン・・・
右に左に絶え間なく踊る3つのお尻、ある者はその光景に祈りを捧げ、またある者は目からビームでも出しそうな程充血した目を瞬きせずに開いていた。
最初は白い目で男性達を見ていた女性客もセクシーに踊る3姉妹の動きに魅了されていた。
気付けば大歓声の中、美しい3姉妹は踊り続ける。
「生きてて良かった・・・」
それはとある冒険者の出した一言・・・
まさしく真理であった。
やがて最初のラッシュが終わり曲は後半へと続く。
立ち位置を入れ替えながら3姉妹は徐々に互いに互いを絡ませる動きを始めエロさを増して行く。
そして、2回目の山場がやって来る!
アイとマイが今度は後ろのバーに中腰になり自らの胸を乗せる。
彼女たちの胸はそれほど大きくない、だが衣装によって寄せられた谷間がバーに圧迫されて強調される!
その後ろでマインが踏みながらまるでモデルショーの様に音に合わせて歩き出した。
先程とはまた違ったアプローチに何名か鼻血を垂れ流しながらその光景を見続ける・・・
「女神じゃ・・・女神様はここに居た・・・」
3姉妹は魔族である、そんな突込みを誰もする事無く肯定を鼻血垂れ流しながら頷きで行なう。
いよいよ最後のラッシュである!
筐体に先程の布がマインの重力魔法で浮かび上がり彼女達の首から足首までを隠す!
その中でモゾモゾと動きながら3姉妹はパネルを踏んでいく!
そして、最後の瞬間・・・
プアーン!と言う音と共に放り投げられる彼女達の衣装!
筐体にクリアの文字と共に画面が切り替わるのに合わせて下へと落ちる布!
「きゃぁっ!?」
「うぉおおおお!!!」
「ぶらぼおおおおお!!!」
何名かの男性が鼻血を噴出し倒れるが耐え切った者はそれを見て安堵した。
彼女達は着替えを終えて最初の服装に戻っていたのだ。
しかし、何名かは最後のそれに気付いていた。
中央に立って笑顔で手を振っていたマインの両足首にまで下りていた白いパンT、それが一瞬送れてスカートの中へと勝手に上がって収納されたのを。
マインのちょっとした悪戯だったのだがそれに気付いた数名は墓までそれを語る事は無かった・・・
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