第35話 第1回DDRフリースタイル大会 その1
「さぁさぁ遂にやって参りましたDDRフリースタイルイベント大会!司会は私エミがお送りします!」
声を遠くまで届ける魔道具を遠くまで声が届くようにコンマイ国の国王が提供してくれていた。
そう、ここはコンマイ国のスタジアムである!
このイベントの事を聞いた国王が直々に予算を支出して今後の事も考えて建設させていたのだ!
と言うのもビートDJマニアの大会であるKACの時に観客からプレイが見えないと言う苦情が多数寄せられていた事から考えられていた物で。
なんと音ゲーが設置されたステージは一段高く更に上部にはプレイしている画面とプレイヤーを映す魔道具まで設置されていた!
これも音ゲーをプレイする事でこの国の人間の魔力が大幅に上昇し、伝説上の賢者すらも超える魔力を持つ者が多数生まれてしまった事から来ていた。
魔道具職人はロクドーの生み出した音ゲーのモニターを解析しテレビと言う文化が無い世界にモニターを再現したのだからそれがどれ程凄いことなのかは分かるだろう。
「それでは今回の審査員の方々を紹介したいと思います!まずは・・・エルフのリュリ!」
ワーと歓声が場を支配する!
エルフが人間のこういう公の場に目立つ形でその身を表す事は今まで殆ど無かったからもある。
「続いて、音ゲー暦は我々の中でもTOPクラスの美少女!アリス!」
サラサラの金髪を流しながらアリスが歩いてきて歓声が再び上がる!
元々ロクドーとは顔馴染みであったがビートDJマニア初代で音ゲーの魅力にハマリ実はロクドーに頼んで家に一台ずつ音ゲーを置いてもらっていたりする。
それもあり、人前ではプレイしている姿は見せないがかなりどの音ゲーも上手いのである。
「そして、驚きのドワーフ族からバナム!」
何故かブーイングが会場に湧き上がるが気にせずに入ってきたムキムキの男。
ドワーフにしては背が高いせいもあり一部の女性はその肉体美に見惚れている。
「更にわが国の国王でこの素晴らしい会場を作って下さった!コンマイ国王!」
沸き上がる歓声に驚きを見せる国王。
国民にこれ程愛される国王と言うのは歴史上でも珍しくその国民の様子にロクドーに感謝を心の中でしていたりする。
「最後に・・・音ゲーの生みの親!我等のロクドー!」
コンマイ国王よりも更に凄まじい歓声がロクドーの姿が見えると共に湧き上がった!
今ではこの国にとって音ゲーは無くてはならない存在となっているのがその様子で見て取れるだろう。
5人が用意された席に着いてエミが一呼吸置いてルール説明を開始する。
「それでは、ルールの説明です!審査員は1人20点満点で得点を付けてもらい、その合計得点で勝敗を決します!参加者は全部で12名!それでは早速最初のプレイヤーはこの人だ!」
そこへ歩いてきたのは誰もが見覚えがあるあの人・・・そう、KACでナコム国の代表としてビートDJマニアで激戦を繰り広げたアトランであった!
「それでは、意気込みをどうぞ!」
「はい、正直DDRはそれほどメインでやってませんでしたがフリースタイルと言う事で楽しんでプレイしたいと思います!」
「ありがとうございました!それではどうぞ!」
そう言ってアトランはDDRの決定ボタンを押す!
今回はこのイベント専用のバージョン筐体をロクドーがスキル創造具現化を使用して出していた。
このイベント専用バージョン筐体の特徴は以下の通りだ。
・1曲しかプレイできない
・全曲自由に選択できる
・ゲージが無くなってもゲームオーバーにならない
そう、通常バージョンでは例えばボス曲であるパラノイヤMAXを出現させるにはファイナルステージまでに3000満点を超えてないと駄目なのだ。
曲によってはCランククリアをしないと駄目なんてルールがあったりもするので曲の偏りを無くす為にもロクドーはオリジナルで今回専用の筐体を出現させていた。
ちなみに現実世界でも初代DDRの全国大会予選が全国各地で行なわれた際に専用のバージョンを使用されていた事実がある。
この予選で上位入賞をすると初代DDRに収録されていた曲が入ったシングルCDと言う小さいCDが景品で配られたと言うのを知っている人は少ない。
2ndのサントラは普通に初代の曲も含めて全部収録された物であるが、この初代のシングルCDは非売品でかなりレアとなっている。
「自分はこの曲でプレイします!」
そう高らかに宣言したアトランが選んだのは初代からの大人気曲『バタフリー』である!
シングルの難易度はベーシックで曲が始まると同時に驚きが場を包み込んだ!
「が・・・画面を見ないだと?!」
「嘘でしょ?!なんで・・・」
観客の驚きに包まれた言葉も仕方あるまい、アトランが画面側ではなく客側を見てプレイしている姿に関しては特に驚く事でもない。
様は譜面を丸暗記すれば問題ないのでそうやってプレイしている人間は勿論他にも居るのだ。
だが、この場に集まった人々はそれがどれだけ凄いことかを分かっていた。
そう、丸暗記による背面プレイを行なうのであればミラーのオプションを入れるのが普通なのである!
そうする事で後ろを向いても覚えた動きを再現するだけで簡単にクリアできるのだから。
だがアトランのプレイはミラーを入れずにやっているのだ。
誰もがそのプレイに驚きを見せる中、ロクドーだけがその秘密に気が付いていた。
そして、最後の左右の同時を見事に踏み切ったと同時に歓声が巻き起こる!
拍手と他国の人間であるアトランを称える声が響く中、エミによって集計が取られ結果が発表される!
「ただ今のプレイの結果!7,7,4,8,4!合計30点!」
ボードに用意されたリストにアトランの得点が書き込まれアトランは笑顔で一礼をして裏側へ帰っていく。
それに合わせて次のプレイヤーが入ってきた!
「次のプレイヤーはこの人だ!」
誰もがその姿を見て驚きに包まれた。
身長が130センチくらいの人間の女の子である!
あちこちで小さな笑う声が出るが気にせずにエミに差し出された魔道具に話し始める少女。
「カリンです。9歳です。今日は頑張ります!」
その宣言にホッこりする様子が客席にチラホラ見えたのだがカリンが選んだ曲で誰もが固まってしまった。
黒髪を2つに縛った少女が選んだその曲は・・・
2ndMIXのボス曲である、シングルの『パラノイヤMAX』ANOTHERであった。
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