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「んぅ?こ、こは……な、にこれ…」


「姉様!!助けに来たよっ!!」


「え?あなた、誰?」


「僕を忘れたの?姉様の双子の弟のジョエルだよ」


「私の…双子……?本当、私そっくり。ジョ、エル…?ジョエル、ジョエル、ジョエル……」


「姉様、先に逃げよう!説明は後でゆっくりしてあげるから。誘拐した奴がまた戻ってくるかもしれない」


「え、えぇ。でも……これが…」


「大丈夫。錆ついているから……ほらね?」


「すごいのね」


「姉様、行くよ」


「えぇ」




 大成功。




 僕は屋敷に火を放ち、姉様を他に用意しておいた屋敷に連れていった。




 もちろん。


 姉様に罪を償ってもらうために。


 “無知”という罪をね?




 姉様、永遠に愛しているよ?


 この手で殺して魂を食べてしまいたい程に。




 なにせ僕は生まれ落ちた時から“死神”なんだから。




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