第26話

男同士の関係というと、大体は即物的なものだ。


会ってすぐホテルに行くからと言って、女みたいにギャーギャー喚いたりなんかしない。おっと、山科唯の事をどうこう言うつもりではないが…。



確かに兄貴とならセックス抜きだってデートしたい。



満は今、休憩4,000円の安いホテルに来ていた。



相手は同じ学校の隣のクラスの中田幸だった。合同体育の時間しか一緒にならないが、前々からお互いの趣向には二人とも何となく気付いていて、前に何度か誘われた事があった。



「どうして急に相手してくれる気になったの?」幸が聞いてくる。



「不毛な片想いは辞めたんだ。」俺は多くは語らずそれだけ言って、幸にキスをした。



「もう一回する?時間少ししかないけど」



うん、と頷きながら俺は幸を抱きついた。

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