第18話

「兄貴ーー!!」


入ってから1時間も経つであろう長風呂を心配して、満の様子を見にきたら、浴室から、名前を呼ばれた。



え?



今のは俺を呼んだのか?しかし、呼ぶと言うよりは、名前を叫ぶような、そんな感じだった。




…なぜか、頭の隅にあった、数日前俺の部屋で自慰している満の半裸がまたひっょっこり出てくる。



あの日以来、あの姿が事あるこどに映像化して頭をかすめる。あの艶かしいスラッとした足を思い出してしまう。そしてその中央に位置しているものさえも。



俺はまた必死で唯の身体を想像した、丸みを帯びた、柔らかい、いい匂いのする女性。なにより、俺を好きでいてくれてるんだ。



俺は自分に必死に言い聞かせてきていた。

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