第15話
俺は唯に会うため自転車で急いで駅へ向かっていた。
俺はペダルを漕ぎながらも、初めての彼女の呼び出しに応じるべく猛スピードで足を回転させながらも、しかし、頭をよぎるのはさっき家に置いてきぼりを食らってしょんぼりしてるであろう、満のあの顔であった。
それは、あの幼き頃のプリンの日をオーバーラップをもさせた。
昔、まだ何も分別もつかない位小さい頃、満が俺と結婚すると駄々をこねて泣きじゃくったのだ。
その後の満の機嫌を取るのは大変で、俺は押入れに閉じ籠った満へプリンを食べさせてあげたのだった。
何を考えてるんだ、俺は…満は弟じゃないか。
いけない、間違った考えをしていると、慌てて唯の事を思い直した所で丁度駅に着いた。
唯は雨の中、傘もささずに立っていた。クリーム色のワンピースは大粒の雨で濡れて、唯の肌にぴったりとくっついている。すっかり下着も透けて放漫な胸とくびれたウエストがあらわになっていた。
「唯、どうしたの?」
俺は慌てて唯の元へ駆け寄った。
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