第14話

次の日の朝は、目覚ましより少し早く目が覚めた。



昨夜、泣きはらした顔で洗面台の前に立つ。

目が腫れてる。



「ひでー顔っ。」



顔に掛かる冷たい水が気持ち良かった。顔を洗うという、いつも日常的に行う行為は、俺には信じたくない、昨日の兄貴の外泊という出来事で傷を追った自分を、現実に引き戻してくれた。



食欲無いや。




兄貴はーー。




玄関を見ると、学校指定の靴が無い。朝早く帰って来てもう学校に向かった様だった。








俺は、自分の身体の中にあるどす黒い塊が動き出す感覚に囚われていた。

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