第10話有限の幸せ
この部屋の壁は1人の女の子の写真で埋め尽くされていた。
中には拡大された物も貼られていて、その全ての写真は女の子の裸写真だった。
その女の子はポニーテールが似合うとても可愛らしい女の子なのだが、写真に写る少女の顔には感情はなかった。
「良いよぉ〜リオ〜」
パシャッ!パシャッ!
1人の中年男性が目の前の裸の女の子の写真を撮っていた。
少女は思う…いつからこんな事が始まったのだろうか…そして思い返すーー
私の名前は
中学1年生の青春真っ盛りの女の子。
4年前…私が小学4年生の時に親が離婚した。
離婚の原因はお父さんの浮気だった。
当時の私は毎晩遅く帰ってくるお父さんがお母さんに怒られていた…ぐらいの感覚でしか無かったが今なら分かる。
お父さんは浮気していたんだ…と。
最初は「お父さん仕事が忙しいみたい」と言っていたお母さんも私に気を使う余裕が無くなった頃には私の前で泣いたりしていた。
何も分からない私が「お母さん何で泣いてるの?」って頭ナデナデしたらお母さんは私を抱きしめて号泣した。
それから両親が離婚して私はお母さんに引き取られた。
お母さんは最初は元気なかったのだが、それでも私のために頑張ってくれて朝から夜まで仕事をしていた。
学校は友達が居てとても楽しく過ごせていた。
両親の離婚…更には毎日辛そうなお母さんの顔を見る度私は申し訳ない気持ちで一杯だった。
だから私は笑顔を貫く事に決めた。
悲しい事があるからって悲しい顔をしていたらダメなんだって言ってたのを思い出したからだ。
そのおかげか「リオの笑顔見ると元気が出るよ」ってお母さんは言ってくれた。
それから私とお母さんは前向きに進んで行こうと決めて楽しい日々を過ごす様になった。
お母さんは私の休みに合わせて休みを作ってくれる様になりその日は2人でお出かけをしたりして過ごした。
「リオ、このウサちゃん可愛いね!」
とウサギのヘアピンを見てはしゃぐお母さんが、とても可愛らしく
「うん!とっても可愛いね!」
と私もはしゃいだ。
そして2人お揃いのヘアピンを買ったのだ。
その頃には私の髪も長くなっていて後ろで束ねてみた。
「見て見て!お母さんそっくりだよ!」
って、お母さんに報告したのを今でも覚えている。
お揃いのヘアピンをして髪もポニーテールで合わせて私達は親子と言うより姉妹に近い関係になっていた。
貧乏だけど確かに私達は幸せな日々を過ごせていたと思う。
そんなある日の事…お母さんが家に男の人を連れてきた。
「
優しそうな顔の眼鏡をかけた普通体型の男の人がそう自己紹介をした。
私のお父さんとは正反対の様な感じの人だった。
その日の夜に私はお母さんに聞いた。
「あの人とどこで会ったの〜?」
私もその時は小学6年生だったので、そう言う恋バナには敏感な年頃だった。
私とお母さんは姉妹みたいな関係だったので、こんな感じで話す事も出来た。
お母さんが言うには夜働いてるスナックで客として来たのが出会いらしい。
最初は特に気にしてなかったのだが、
「ーーでね。私に会うために来てくれる様になって…ある日告白されたの。最初は断ったんだけど彼の熱意に負けたって言うか…」
そう楽しそうに話すお母さんを見て私も嬉しくなる。
今まで苦労したんだ…これからお母さんは幸せになっていくんだ。
そう思ってた。
ううん、正確にはお母さんは今でも幸せだと思う…私が我慢すれば…
2人が夫婦になったのはすぐだった。
お母さんが嫌がったので式は挙げなかった。
私は春風の名前を名乗るか井国の名前を名乗るか決めていいと言われ春風を選んだ。
お父さんの事は嫌いだ…だからお父さんに申し訳ないとかそんな理由じゃない。
ただ、春風って名前が好きだったからだ。
そうしてお義父さんの貯金で家を建てる事にして私達は新たな一歩を踏み出したのだ。
でも……そんな幸せの日は続かなかった。
ある日私はお義父さんに連れられ地下室へと行った。
地下室の事を私は知らなかった…多分お母さんも知らないと思う。
何故なら…
「ここがパパとリオの秘密基地だよ♡」
そうお義父さんが紹介する部屋の壁一面には女の子の写真で埋め尽くされていた。
よく見たらその女の子は私で、お風呂に入ってるのを隠し撮りした所や寝顔とかの写真でいっぱいだった。
「なに…これ?…」
驚愕する私を尻目に楽しそうにお義父さんは言う
「パパの秘蔵コレクションさ!」
どうだ凄いだろ?と言う様に両手を広げその場で一回転する。
私は頭の中が混乱でいっぱいになりその場で固まってしまう。
「リオ〜そろそろ始めようか」
そう言って私に触れるお義父さん
「やめて!」
そう言って私はお義父さんの手を払う
「おやおや…反抗期かなぁ?」
ニヤニヤと気持ち悪く笑いながら言うお義父さんに私は嫌悪感でいっぱいになる
「こんな事…お母さんに知れたら!」
脅しのつもりでそう言ったのだが
「そうだねぇ〜マオに知れたらどうなるかな?」
私は逆に脅される事になった。
こんな事とても言える訳ない…。
せっかくお母さんが幸せを掴んだのに私のせいでそれを壊す事になるのは……嫌だ!
「リオはママ想いの良い子だねぇ〜」
そうして私は服を脱がされ撮影会をさせられた。
撮影会は基本的に夜に行われた。
お義父さんが仕事で帰って来た後お母さんがお風呂に入ってる時が主な時間だったけれど…次第にエスカレートして行き、ちょっとお母さんがトイレ等で席を外した時に私の体を触ってくる様になっていた。
撮影会も地下室じゃなく私の部屋でやる様にもなったし、お母さんにお使いを頼んで私と2人きりになる様に仕組んだりも始めた。
そんなある日だった。
「ほら…パパを触ってごらん?」
お義父さんは下半身を露わにして私に触らせようとした。
私も流石に意味は分かってるので
「それは駄目だよ…」
と拒否するも
「そっかそっかぁ〜リオは悪い子だな!」
バシイィィン!!!
と私は頬を打たれる
「ほら…触れよ」
打たれる恐怖に仕方なく私は従う事になる。
こうしてお義父さんの行為は日々エスカレートしていく一方で気付けば私は中学1年生になっていたーー
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