第122話仮面


「おい!木村、罪を認めるんだな?」


「…。」 


取調室で佐久間トシヒトは鼻くそを飛ばして黙秘している木村太郎を怒鳴り散らしていた。


佐久間は、いつも太郎に先を越されて事件を解決されている。


悔しい立場である。


「病院の庭にドラゴンフッシュは埋められていた。お前が言った場所だ。黙ってないで吐いたらどうだ!」


「アイス。」


「アイス?」


「佐久間買って来て。」


「は?お前、自分の立場分かってるのか?」


「春男ちゃん元気かな?」


佐久間は、太郎の胸ぐらを掴もうとしたが避けられて机に顔面をぶつけて気絶してしまった。



「春男ちゃん、何か見つかった?」


病室に、太郎は入って来た。


春男は、びっくりした顔をしている。


「お前、釈放されたのか?」


「いや、佐久間が気絶したからここに来た。」


「佐久間が気絶?意味不明だ…。」


「ねぇ、ドラゴンフッシュはどんな特技を持ってるか知ってる?」


太郎は、窓を開けて唖然としている春男に聞いた。


「え?」


「変装だよ。」


「変装?」


「そう、健太郎は変装してる。」 


春男は、首を傾げた。


「つまり、健太郎は殺されて埋められた。」


「健太郎は、生きてるだろ?」


「今の健太郎はドラゴンフッシュだ。俺を犯人にしたてあげたのは健太郎に変装したドラゴンフッシュだ。」


春男は、難しい顔をした。


「たっちゃんに、電話してみ、健太郎はいないから。」


春男は、スマホを取り出してたっちゃんに電話した。


しかし、たっちゃんは出なかった。


「ヤバイな、たっちゃんも殺られたかな…。」


太郎は、呟いた。


「とにかくたっちゃんの事務所に行くぞ!」


春男と太郎は病室を急いで出た。



二人は事務所に着いた。


ニイクラ、喜一郎が頭から血を流して倒れていた。


「たっちゃん!」


太郎は、奥のトイレで倒れているたっちゃんを抱き起こした。


「た…太郎か?」


たっちゃんは、頭から血を流して拳銃を手に持っていた。


すぐ前で健太郎は頭から血を流してすでに死んでいた。


「たっちゃん!何があったんだ?」


「けんちゃんが、いきなりニイクラと喜一郎の頭を拳銃で撃った…俺はけんちゃんから拳銃を奪い取って何とか殺したが俺も…。」


「春男ちゃん!救急車呼んで!」


「お、おう!」


たっちゃんは、意識を失った。

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