第86話黒組織


「誰かに電話した様子です。」


「やっぱり…。」


慶一郎の報告を受けて太郎はアクビをした。


「北村は、分かりやすいからな。」


春男が言った。


二人は、オセロをしている。


「てか、最近あずあずどうしてるんだ?」


「ん?実家に帰ってるよ。」


「は?ケンカでもしたのか?」


「してないよ。」


「お前と暮らしていけないか…。」


「そうかもね。」


太郎の圧勝でオセロは終わった。


「ふーん、田島、今回はうちの組絡んでないよな?」


「まぁ、打診は受けましたけど断りました。」


「ネットねぇ。下らない洗脳だな。

まぁ、他がドンパチしてくれれば一石二鳥だがな。」


「確かに…。木村太郎はどうするかな。」





「今回は、野部ちゃんに任せたよ。」


太郎は、コタツに入って寝てしまった。


春男は、一人でオセロをして唸っている。


「もしもし、野部ですけど!」


太郎のスマホを取った春男は太郎の真似をしてもう少し張っといてと言った。


「ビル風が半端じゃないんすよ。」


「刑事は大変だね。」


と言って電話を切ってしまった。



「ねぇ。聞いた事なかったけど何で春男ちゃんは警察官になったの?」


「単純だよ。公務員でクビにならねぇからだよ。」


太郎と春男は大の字になって話していた。


「だよね、春男ちゃん、警察学校でダメダメだったもんね。寝小便はするし毎晩、泣いてたり、教官からいじめられたりね。」


「でもさ、いつも太郎に助けられてたよな。鬼教官蹴り飛ばしてくれたりな…。」

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