第85話ウィルス


「コンピュターウィルス?」


慶一郎がパソコンを見ながら太郎に聞いた。


「太郎よ、それは無いだろ。あいつらパソコン見て武装化したのか?」


「あり得るよ。」


「マジかよ…。」


春男は、顔に傷を負った。


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468ページ

「社会への不平不満を持つ若い世代は特に敏感に反応するからね、この映像じゃないかな。」


一人の男が首を切断されている映像だった。


男は藁人形だったが体に社会という文字が書かれていた。


「不平不満なんて言ったら警察なんてみんな辞めてるぜ。」


「そうですね。」



「裏で誰に操られてるんだろうね。」


「さっきの奴らなんて太郎いなかったら俺達殺されてたかもな。」


「そうですよね…。」


春男と慶一郎は考え込んでしまった。


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470ページ

それから一週間立て続けにテロは行われた。


会社社長や有名人、政治家も被害に遭った。


若者からホームレスまでが正義の復讐などと喜んでいた。


そこでテロ対策委員会なるものを警察は組織した。



太郎、春男、賢二郎も参加した。


「具体的に何するんだろうね?」


「前科があるパソコンマニアを盗聴盗撮してるんですよ。」


「それって違法じゃね?」


春男が慶一郎に聞いた。


「違法も何も普通の相手じゃないから仕方ないよね。特例だよ特例。」


太郎が言った。


「サイバー犯罪にはサイバー犯罪しかないよね。」


ある特定の人物が浮かび上がって来た。


北村竜


元鮫島組若頭


「めんどくさい相手だね。」


「確か太郎が麻薬で逮捕した奴だよな?」


「うん…。でも、北村がコンピュターに詳しいとは思えないんだよね。バリバリのアナログヤクザだったからね。」







任意で北村を太郎は引っ張った。


「俺、何もしてないぜ。太郎ちゃんが呼ぶから来ただけだからな。」


いかにも、ヤクザという強面の顔にサングラスにオールバック。


「うん、ありがとう。最近、仕事はどうしてるの?」


「合法の薬さばいて何とか凌いでる。あとは、株かな。」


「最近さ、テロが起きてるのは知ってよね?」


「あぁ、知ってる。」


少し北村の顔が青ざめた。



「どっから圧力かかってるの?」


太郎は、じっと北村を見つめて聞いた。


「やだな、太郎ちゃん、俺は何もしてないぜ。」


「そっかあ、何か悩んでたら聞くからさ。」


「ありがとう。」


北村は、苦笑いを顔に浮かべて警察署を後にした。



「野部ちゃん、北村をマークしといて。」


「はい。」


太郎は、苦虫を噛んだような顔をした。


あの、青ざめた北村の顔…。


太郎は、北村が嘘をついていると感じた。


何か大きな組織が動いて革命が起こりそうな予感がする…。

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