第66話ワンクリック募金


小関明-


髪の毛を一本づつ抜かれる感覚。


体の骨は壊されて動かない。



何故、自分なんだろう?


という疑問も持てなくなるぐらいの拷問という嵐。


まだ終わらないのか?いつ死ねる?




「黙秘?」


取調室から出てきた梓に春男が聞いた。


「そっかぁ。」


ワンクリック募金のアプリを作った和月旬を任意で引っ張り上げたが何も話さないので釈放する事になった。


任意で警察署まで来たのだから何か話すかと梓は期待したが空振りだった。


他の策を考えなくてはいけなくなった。


考えた末に春男がワンクリック募金をする事になった。


和月旬は、慎重な人間らしく春男の個人情報を聞き出すためにか分からないがアンケートのような形でメールが届いた。


梓は、春男の履歴を考えて嘘の回答を選択させた。


全て被害者のアンケートに限りなく近い履歴を作成した。


すると、一通のメールが届いた。


【あなたの価値を上げる事になります。今の自分を世界中未来に永遠に名前を残すチャンスです。ワンクリック募金であなたは価値が上がるのです。○○倉庫に今晩21時にお待ちしております。】


「めちゃめちゃ、怪しいじゃあねーかよ!」


メールを読んだ後に春男は叫んだ。


梓は、メールを読み返して


「これは春男さん、行くべきですね。」


「おいおい!太郎病か?こんなおとり捜査は俺は、行かねーぞ。」


結局、春男は、梓に懇願されて行く事になった。

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