第22話愛犬家


「あずあずはさ、愛犬家ってどういう人だと思う?」


「うーん、犬を家族の一員だと考えてる人ですかね…?」


「正解。で、人は家族が殺されたらどんな気持ちになる?」


「悲しくて悔しくて。」


「恨みを晴らしたくなる。OK?あずあず、今回被害者が勤めていた保健所当たってくれる?」


「はい!」


「ふーん、ここが愛犬家の家?」


梓は、保健所の職員に聴き込みをかけた結果、1人の容疑者が浮かび上がって来た。


中村佑樹45歳無職


「これってゴミ屋敷じゃん。」


「あまり大きい声は困ります。中村さん、気難しい人らしいので。」


「おめーら何か?」


日に焼けた背の低い男がチワワを抱いて立っていた。


「いやー立派な、ゴミ屋敷だと思って見学してました。」


「なんだと!おらの屋敷がお化け屋敷だと?」


梓は、頭痛がしてきた。


「ふーん、ずっと1人か。そりゃあ、寂しいね。」


ゴミ屋敷の中へ通された2人は、埋もれているちゃぶ台に置かれたビンのコーラを珍しい顔で見ていた。


「んで、この!税金泥棒!何の用だ?」


「いや、中村さんが保健所にクレームを激しく嫌がらせのようにしてたのを小耳に挟みましてね。今回の犬爆破事件の犯人かと思って訪ねました。」


「わしが犯人じゃあ!」


え?


「はい。あずあず、確保!」

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