第6話夜の散歩


岸谷梓は、インターホンを押した。


「はい。」


「はい?じゃないですよ!何でまたわたし交通課なんですか?」


「散歩しようか。」


インターホン越しの木村太郎の声は優しかった。


「今日は、ルナをお願いします。」


と縄を梓は太郎に渡された。


「全て計画通りでしたか?」


「うーん、君にルナとレナがなつくとは思ってなかった。」


「わたしは、才色兼備ですからね。」




「ありがとう。かおりも喜んでるよ。きっと....。」


太郎は、満月を見つめて言った。



その横顔を見て梓は仕方ない男だなと心の中で笑った。



【痛みを受け止めて微かな光に手を伸ばして歩いて行かないといけない。】

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