第5話陰謀
太郎は、教団に行った日から失踪した。
梓が何度連絡しても繋がる事はなかった。
「どうした?元気ないみたい。」
勉が、レストランで浮かない顔をしている梓に聞いた。
「木村太郎が、消えた。」
「ふーん、そっか。」
あまり興味が無いらしく勉は白ワインを飲んでいる。
「何か掴んだのかも。」
梓には、何か嫌な予感がした。
「何かって?」
梓は、今までの事を勉に話した。
「うーん、考えが飛躍的すぎるよ。宗教、連続強姦殺人事件、KM、どこが繋がりがあるの?」
勉に、梓はそう言われると確かにと思う。
梓は、タクシーで勉に見送られるとどっと疲れが出てそのまま眠ってしまった。
梓が目覚めると視界は暗闇だった。
数秒間、自分が置かれてる状況が理解出来なかった。
自分は拘束されている。
木村太郎は、消すしかないな。あの女もか?当たり前だ。
何?それ?
梓の背筋がゾッとした瞬間
覚えのある声がして視界は開けた。
「やあ、梓。」
「よう、あずあず。」
目の前に、勉と猫田がいる。
「な、何で?」
梓は、震える声で聞いた。
「うーん、簡単。俺が連続強姦殺人事件の犯人でありカルト教団の教祖でありKMを組織した人間だからさ。」
勉は、愉快そうに饒舌に話した。
「そして、猫田さんは、俺の右腕。三年前に俺が木村太郎に捕まりそうになった時に木村太郎を襲って気絶させたのは、猫田だよ。」
「何で?」
「何で?女をレイプするのが俺の快楽であるから。そして教団は税金対策で清楚な俺好みの女を探すための組織。KMは、精子バンク、優秀な殺戮人間を生み出すために性犯罪者の精子を集めて誘拐した女に体外受精をさせて子供を産ませる。まぁ、簡単にはこんな感じ。」
「やっぱりね。」
梓が明るく笑った。
勉と猫田の顔が歪んだ。
「やっぱり..だと?」
「そう、やっぱり木村太郎は天才ね。」
次の瞬間、トラックが工場の扉を突き破って侵入して来た。
「お待たせ、あずあず!」
太郎が、トラックから降りて梓の体に巻きついた縄をほどいた。
猫田と勉は、太郎に銃口を向けた。
太郎も拳銃を握っている。
「いけないなぁ、悪い事したら…。」
「うるさい!お前も同じだろ?」
勉は、言った。
「困るな一緒にされるのは失敬だよ。」
太郎が引き金を引いた。
猫田の手首を撃ち抜いた。
勉は、拳銃を猫田のこめかみに当てて逃げようとしたがその拳銃も太郎に弾かれた。
太郎は、人が変わったように勉に拳を上げた。
「エリートもキャリアも関係ねぇ。人殺しは人殺しなんだよ!」
梓は、猫田と勉に手錠をかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます