3 四月・五月
私は翌週も、職を求めるはずだった。
――はずなのに、朝からハローなワークに行く気にはなれず、布団の中で芋虫のように体を丸くし、えら呼吸のような肺呼吸を続けた。雨天でもなければ、気温が低かったわけでもない。
休みが欲しかったのだ。
自分でも笑ってしまう、毎日バケーションの愚か者が休息を求めるなんて。
昼下がり、眠気が完全に覚めてしまった体を、意思とは反対の方向へ動かし、いつもと変わらぬ安い服を装い家から飛び出した。
当てがない旅路、まずは牛丼屋に入店する。腹を満たしたら次はコンビニ、その次は本屋である。目的もなく平日をほっつき歩く。他人ばかりとすれ違う田舎が優しかった。
今日はとても充実した一日だった。なのに焦慮があった。私は一体なにに怯えているのだろうか。
710:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/03(月) 16:42:31 ID:+PybUXtd
細かい作業なので女性が欲しいです?
意味わかんねーよ
なんで男のほうが不器用って決め付けるんだろうか
伝統工芸とかやってるのは男ばっかりじゃん
719:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/04(火) 17:25:46 ID:lOKNlWcI
>>710
ほんとこれ。イメージで、そう思われてるんじゃないか?
明らかに男の方が、欠勤せずに真面目に働く人が多い気がする
732:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/06(木) 01:03:30 ID:1w7SFAnz
>>710
>>719
能力だけで女を採ってない
・協調性や団結力があるのが女
・男は正社員になりたがる、女はパートを続けやすい
・女は目の保養
・女が居ると職場の雰囲気が良くなる
750:名無しさん@毎日がバケーション:2015/04/09(日) 03:23:19 ID:Ttvupiu5
すぐ泣いたり、喚いたり、発狂したり
そんな感情で動く生き物に協調性?
確かにイジメをする時、陰口を言うときだけは協調も団結もしてるがな
752:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/09(日) 04:49:28 ID:grBFfPsg
何かにつけて女ばっかり優先で
完全に男の存在を否定してきてるよな。
759:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/09(日) 18:56:55 ID:ZgUFhjpq
男ってだけでダメ。年齢が高いからダメ。
スキルを持ってようが問題じゃない、って現実だもんなぁ。
762:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/09(日) 19:45:41 ID:k0TIhzrR
最近はマジで女性募集が多い
採用側もいろいろめんどくさいのか年取ったオッサンだと
768:名無しさん@毎日がバケーション:2017/04/09(日) 23:08:28 ID:a0Cb35Yn
ここで女を叩いても無意味だろ。同士で足を引っ張り合うのは不毛すぎるぞ。
叩くなら採用する側だ。不均衡・不平等の社会構造が悪いんだから。
団結だ。
「他人と団結……か。馬鹿な……このご時世に」
理想と現実
依然として仕事は決まらず、朝食の買い出しにコンビニへ向かった。道すがらの交差点で信号待ちしている間、集団登校する小学生たちに目を向けた。
黄色い帽子を被った低学年の子が、手を上げてアスファルトのゼブラ柄を渡っている。子供たちは元気いっぱいに手を上げているが、いつかはそれを行わなくなる。
ではいつ頃からだろうか? 先生に注意されなくなったらか、親が黙認したらか、緑のおばさんが目で流すだけの存在になったら、か。どういう理由にせよ、いつかは先頭を歩く五、六年生のように、己の中でルールを作り上げるのだ。
横断歩道も、教育者も、保護者までもが視界から消える。
きっと一年前の私だったら、『自分にもあんな時代があったんだ』という感慨が体中に雲散し、風の匂いに勝手な追憶を重ね、不味い溜息を吸い返したに違いない。
「――早起きだねえ。赤信号って、どうして渡っちゃいけないか知ってるかい?」
早朝と呼ぶには日が昇りすぎている時間、後方から車の騒音に混じった男の発声があった。振り向かずに、そのシルエットがわかってしまうのは、私の体に不景気のオーラがまとわりついているからだ。
「青は安心できるから。そう子供の頃から刷り込みが行われたからです」
「赤は危険……か。もう郵便も送れなきゃ、赤野菜も食べられないねえ」
「どうしました? 愉快な話でも持ってきましたか?」
不思議だった。声の主をロクでもない人間と思い定めるようになってから、私の本音に等しい減らず口が、すんなり出てくるようになっていた。
「面白い話と、求人だったらどっちが欲しいんだ?」
私はここで振り向いた。喉から手が出る気持ちを抑え、「前者ですかね」と強がってみせた。一体私は、誰を相手に会話のキャッチボールを行っているのだろう。同士、同類という括りだけは勘弁願いたいものである。
「求職者も何か動いているようだよ」
「デモ起こして、官邸に糞尿でも撒き散らす騒ぎとかなら面白いですね」
「保守的な日本人じゃ、そこまで狂えないだろう」
返したい言葉があった。
守りたい自分があった。
「では、私は用事があるので失礼します」
「面接かい? 頑張りな」
男のエールを嫌味と捉え、むかっ腹を立てたままコンビニで見慣れない弁当を購入した。挨拶もしない店員が箸をつけ忘れていたのに気づいたのは、自宅に着いてからだった。
「いただきます」
台所から自分の箸を手に入れ、居間の座布団に落ち着くと、私は一週間ぶりにテレビの電源を入れた。
活発に報道が行われている時間帯ではなかったが、ニュースが気になって仕方がなかった。男の話をありのまま信じようとした? 違う、日常から逸脱した一時を望んだだけである。
十分ほどで弁当を食べ終え、優良な情報を得られないままテレビを消した。
最近、私は思うことがあるのだ。外に出れば、例の男にすぐ会えるのではないかという、ちっとも嬉しくない錯覚である。テレビの内容よりもよっぽど面白い言葉、出来事を運んできてくれそうだったのだ。
それは私が見ているスレッドも同じかもしれない。
800:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 11:09:24 ID:b1Gd15Dn
世間はゴールデンウィークか
休んでる場合じゃないんだよ俺らは…
802:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 17:11:11 ID:a4Ds/81F
バイト決まったあああああああああ
社員にもなり上がれるかもしれないらしい
お前らも諦めるな! こんな俺でも受かったんだぞ!
803:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 17:20:28 ID:FjHQarba
うおおおおおおおめでとおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおお
804:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 17:50:01 ID:B7gz2E98
>>802
良かったな、もう二度と来るなよこんなスレ
805:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 19:10:19 ID:e5BpQR0O
>>802
おめでとう! 俺らもあとに続くぞ!
806:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 21:22:22 ID:a4Ds/81F
ありがとうありがとう
なんていったらいいかわからないけど、とにかく頑張るは
809:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/04(木) 23:02:58 ID:KrsR+8lo
こういう知らせはマジめでたい
「そっか、決まる奴は決まるんだな。そうだよな」
スレッドの一人が朗報を告げると、門出を祝うコメントがいくつも寄せられていた。気持ちは私も同じで、悔しがるどころか、心から「良かったな」というセリフを発していた。
この時の私は、不特定多数が利用する掲示板の内容を疑おうとはしていなかった。真実とは、何もないからこそよく見える。
逆に私と同じ境遇の友人が居たとして、そいつが先に仕事にありついたとしたら、手放しで喜べないかもしれない。本当に受かったのか――なんて
「俺も頑張らないとな……」
811:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/08(月) 12:05:05 ID:q9ByHbl8
勇気出して電話したのに「すいません募集してないんです」って言われたお。
また緊張しながら電話番号とにらめっこするのか。コミュ障マジつらい・・・。
825:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/12(金) 17:41:31 ID:ai3Ltu5I
今日面接で起きた話です
スーツの役職っぽいオジサンと、1対1の面接だった
なぜか俺とオジサンの距離が近かったんだ
で、いざ面接始まったんだが途中からおかしくなった
目の前で無職の空白期間を色々つつかれてたんだが
色々言われるうち、オジサンに肩を触られたり
太もも(足の付け根?)を触られたりした
まるで慰められるように
最後に、面接の結果は後日・・・と言われながら優しく手を握られた
「良い返事ができるかな」だってさ
あれも一種の圧迫面接だったんだろうか? なんか怖いんだが・・・
826:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/12(金) 17:58:30 ID:Abe/Taka
内定おめwwww
828:名無しさん@毎日がバケーション:2017/05/12(金) 18:47:09 ID:3tDPiwmw
>>825
アッー!迫面接
立ち止まっている者は居ない。それは火を見るより明らかで、スレッドを見ていても明らかだった。だのに私は、右往左往する思考のもと、
このまま何もしなければ、名前も知らないアニメのヒーローかヒロインかが、自分を救ってくれるのではないかと、心の片隅で懇願するようになっていた。
恐ろしくも、本当にそう思う自分が居たのだ。
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