第18話 30人のお店に500人来ちゃいました(汗)
ヒーローインタビューで店内が盛り上がる中、私たちは第2弾の仕入れと食器洗いとゴミ捨てとエール樽の入れ替えと、水晶玉の設定でてんやわんや。で、リミット内に仕事をこなしたと思ったら、試合を終えたヒーロー御一行様がいらっしゃった!
「デヴィッドー!!」
「ジョンモンタナ―!!」
「ベンー!!」
「ババンガバンバンーッ!!」
最後まで名前を呼んでもらえないトミーが少しかわいそうだったけど(笑)、私たちは血眼な笑顔で走り回っていた。なんと、コロシアムからお客様が500人来ちゃったのだ!
どーすんのよこれ! 入るわけないじゃん!
と思ったが、そこはさすがに訓練されたノーブラサポーター、自前のシートを持って来ていらっしゃった。
というわけで、お店の外で選手たちを中心に全てのお客さんが集まると、グラスを持ったまま大合唱
「We are
「We are
そうだよね! みんな楽しけりゃいいのだよ。こうして勝者との一体感を楽しむためにみんな来てるんだよね。水を差しちゃいけないよ。そう思った私はまず、飲み物をありったけ運んで回る。3人娘だけでやっていたら30分以上かかったけど、ティモニーズの皆さんが手伝ってくれたからあっという間、しかもお客さん大喜び!
「We love
「We love
みなさん、なんてげんきんなことでしょう(笑)。だけどこうしてティモニーズの知名度が高まることでWin-Winっていうのかな? 互いにメリットがあるから我々は運命共同体としてやっていけるわけで、とても素晴らしいことだと思うのね。
そんな流れでティモニーズのダンスをお客さんに堪能してもらっている間に我々はノーブラの選手たちに一度お店の中に入って食事をとってもらう。私が作った海鮮フルコースをどーんと出すと、みんなガッつくことガッつくこと。いいよ~それよ~私が望んでいたのは。マオもナオもトミーのところに行くひまもないまま他の選手のお代わりをせっせと運んでくれた。
食べ終わった選手たちは順次外に出ていき、今度はティモニーズのメンバーと入れ換わる。本当にお疲れ様でした。エルフが多いティモニーズはサラダ中心のメニューだったけれど、それでも海鮮フルコースはここで終わっちゃいました。
で、あとはいつも通り選手もチアリーダーたちもサポーターも混合での勝利の宴。
私たちはメニューをテイクアウトオーダーに切り替えたけれど、注文はひっきりなし。そりゃそうよね、コロシアムから直接来たお客さんたちは何も食べてないんだもの。3人娘総出で長蛇の列をさばき、落ち着くころにはあたりは真っ暗になっていました。
外では急遽設営されたステージに、マスターとティモニーさんが乗って、みんなをあおるあおる。
「Go! Go!
今気がついたんだけど、マスターとティモニーさんって、実はまんざらでもなさそうなのよ。エルフは寿命が長いから、見た目年上の男もそんなに苦にしないっていうのは本当なのかな。二人とも楽しそうにお客さんの前でしゃべってる。
「というわけでですね、我々むさくるしいノーブラの野郎どもにもティモニーズという貰い手ができましてですね」
『いえいえ~めっちゃ光栄ですよ~! なんたって現在、全国一位ですからねっ! しかもいい男ばっかり!』
選手たちの「ウォーッ!!」という野太い歓声が屋外に響いた。
「ノーブラは全員で23人、私を入れると24人になります」
『私らティモニーズは10人ですから、一人でお二人以上お相手せなあきまへんな~』
「ではわたしは二人分ですから今晩はあなたと」
『なんでやねん! もっと若い子がええわ!』
そう言いながらもティモ二ーさん、なんかノリがマスターよりもオヤジっぽいんですが、大丈夫でしょうか……これが素なの?
おっと、今のうちに売り上げをしめておかないと……って、余裕で前回を超えてるのはわかってるから笑いが止まらないんだけどね……うわー、前回の倍だわ~こりゃやめられまへんな~(笑)。
こうしてこれまで以上に盛り上がった一晩を過ごした私たちは、かなりレベルが上がった気がしました。「次は1000人? やってやるぜ!」くらい勢いで言ってしまえるくらいです。実際に来られたら、それこそもう場所がないのですけどね(笑)。
いっそのこと、次は最初から練習用グランドでやるか! とりあえず、椅子とテーブルは大量に発注しておかないとダメね。あと、エールの樽の置き場も……。
あ! 飲み終えた樽を椅子にすればいいんだわ! なんでもリサイクルしなきゃね! テーブルは簡単にはいかないかもしれないけど、マスターに相談したらなんとかなりそうな気もするし。
いずれにしても、神様は今日、私の願いを叶えてくれました。あんなにたくさんの笑顔、私はこれまで見たことなかったもの。
そして私は周りにいる人々に感謝しました。みんなが私に生きる場所を与えてくれたから。みんなが私に自分の存在意義を感じさせてくれたから。
こんな小さな私ですが、皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします!
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