音と衝撃に起こされた夜

 ばちん、と顔面にバレーボールが当たったような衝撃。驚いて目を開けると薄暗い部屋の天井が見えて、あぁ寝ていたのかと気付いた。

 夢を見ていたんだろうと理解したのち、軽く頬を、鼻を撫でる。痛みはない。ただばちんという衝撃だけが頭に残っている。鼓動も少し速い。

「はぁ……」

 深く息を吐いて、吸う。

 何の夢を見ていたんだろう。顔面にバレーボールを受けたような衝撃だった、とは思うがバレーボールが当たったわけではないと思う。一切の記憶がないのにそこだけは「違う」と感じる。

 ベッドに横になったままぼうっと天井を眺めた。こうしていると解決しないまままた眠りに落ちて、起きたらこうして悩んだことも忘れているんだろうな。

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