憂鬱の痣


最近、何気ない事で憂鬱になることが多々ある。気付けば何かをする度に落ち込んでいて、何かをする度に小さな失敗をしている。それは傍から見れば気付かないような、自分一人が気にしているような些細なことだったりするのだけれど、自分が気にしているんだから失敗と言っていいだろう。

そして今日もまた小さな失敗を積み重ねてしまったなぁ、と溜息をつきながら帰宅して、夕飯を食べて、風呂に入った。

髪を洗い、顔を洗い、身体を洗い、そこで気付く。膝にうっすら痣があると。

そういえば数日前にぶつけた覚えがある。どこにぶつけたのかはよく覚えていないがあれもうわぁ失敗したと思ったものだ。それが痣になって残っているんだろう。なんてことはない、よくある小さな怪我だ。

……でも、今回はここに甘えてみようか。

今日までの数日間、どうにも調子が上がらなくて小さな失敗を重ねたのはこのせいだったんじゃないか。憂鬱なことのきっかけが膝をぶつけたことだったんだ。

そう思ってみるとこの痣が消えれば気分も晴れるような気がしてくる。我ながら単純だがそういう思考もたまにはいいだろう。

とはいえ、逆に痣が消えなければその間は……。

いいや、悪い方向のことを考えるのは悪い癖。これもまた痣のせいにして、今日はゆっくりと眠ろう。


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