怖い話の話

怖い話、というのがある。

幽霊がーとか心霊現象がーとか呪いがーとかそういうやつだ。

興味本位でそういうものを見た日はずっと何かが漠然と怖かったりする。

ただ。

そういうものを特に見ていないのに何かが怖い日はなんだ。

通りがかる窓を気付けばすべて睨みつけていたり、もしその窓の向こうになにかがいたらと思うとぞっとしたり。

ぺたりぺたりと響く足音がこの場にそぐわない気がして早足になってしまったり。

ひとりっきりの家で無駄に独り言を言ってしまったり。

この扉を開けたらもしかしたらなにかいるのではと構えてしまったり。

そういう日にはもしかしたら、そういうものにからかわれている日なのかもしれない。


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