「これは夢なんだ」という言葉には2つの意味があります。ひとつは、寝て夢を見ているという意味。そしてもう1つは「叶えたい願望」という意味での夢。主人公はきっと前者の意味で使いつつ、でも頭では後者の意味であることを知っている。なかなか現実を受け入れることができない主人公が、歩み出す物語です。それにしても、序盤の車の走り方だと、避けられないですよね。来ると分かっていて、どうしようもできないのは本当にこわいです。
題名と、作品の紹介文を見て、読み始めた作品でした。 よくある「主人公が現実を受け入れられない」という設定を、ここまで突き詰め、さらにそれを、少女が救われる形で表現しているところにとても好感が持てました。少女は夢と現実の狭間で生きようとした。しかし、それを現実が凌駕し、少女は現実を生きる勇気を持った。読んだ後はさわやかです。
丁寧に心情が込められ綴られている素敵な物語です。主人公と自分を重ねながら拝読させて頂きましたが、ラストを読んで私もそうありたい…と思いました。
短い話の中で、すごく丁寧に心情を描いてるなあって思いました。短いのでサラッと読めるのに、読後にちゃんと読み切った後の切なさ、心温まる感動が味わえました。願わくば、改行を要所要所に入れてほしいなあと思ったのですが、文章そのものはとてもきれいで読みやすかったです