私、夜の蓮を想います。

@rurito610

第1話 運命の入学式

ピピピピ…

「ん…もう朝…?」

私、夏川いちかはいつも通りの目覚ましで目を覚ます。

…ん?今日って何の日だっけ?

…………………んーと…

あ!!!今日から私、高校生なんだった!!!!

クローゼットを見ると、やっぱり高校の制服!!

今日は…………入学式!!!!


…?ん?とすると…

時計の針は9時10分…入学式は…9時30分!!!!!

やばいやばいやばいやばいやばい!!!

入学式から遅刻なんて嫌だよ?!


急いで1階に降りる。

お母さんは机を拭いていたが、私に気づき、

「あらいちか!まだいたの?!早く行きなさいよ!」

わかってるっつーの!!!!


朝ごはんが食べられなかった!!!

でも仕方ないや!今は急げ!!!

昨日新しく買った靴を履いていざ外へ!!!!


ん~~~~!!!!!晴れ!気持ちいい!空気がおいしい。

新しい高校、空桜学園までは1kmくらい!走っていこう!!

…走るのには自信がないんだけどね


はぁっはぁっはぁっ!!!

ほらすぐに息が切れてきた!でも急がなきゃ遅れちゃう!!!

まだ走らなきゃっ


そう思った瞬間、体のバランスを失った。

慣れない…新しい靴で…走ったからっ…転ぶ!!!!!!!


「きゃあっ!!!!!」

私は情けない声を出す。

「いったぁ……………く…ない???」

私は目を開いてぎょっとした。

私の体、30度くらいで止まってる!!!!

直後感じる手の圧力!

「へっ?」

思わず後ろを振り向くと…男子??


「…大丈夫か?」

私の腕を引っ張ったまま、男子は聞く。

「あ…はい…どうもありがとう…」

礼を言おうと相手の目を見ると…

…………綺麗な紫色の目。

「ならよかった」

男子はにっこりとほほ笑むと、私を引っ張る。

「その制服、もしかして空桜か??」

「えっ…」

あ!この人の制服!制服買いに行ったとき見た!!

ってことは…

「はい…私、空桜の新入生です。もしかしてあなたも空桜の…」

「うん。そだよ。俺も、空桜に今年から」

やっぱり!!!!しかも同い年?!

「どーせなら、一緒に空桜行かねぇか?」

「え、いいんですか?」

「そりゃねー。俺も一人遅刻したと思って焦ってたからね。仲間がいて助かった」

仲間って…この人遅刻する前提かい!!!


歩きながら、名前も知らない男子のほうをちらちらと見る。

なんせこの人…かっこいい!!!

目だけじゃなくて…髪も若干紫かな?それに肌白くてシュッとしてる!

背も高い。


…待ってかっこ良すぎる。


「ね、ねぇ」

「ん?」

「名前…教えてもらえますか?」

「あぁ、俺は、舞浜 夜蓮。普通に舞浜って呼んでくれていいよ

 君は?」

「あっ、私は夏川 いちか!」

「そっか。じゃあ夏川だな」


この人…名前までなんかかっこいい!!!!


って、ぼーっとしてたら舞浜君ははるか先に!!


急いで追いつこうとする私の胸は、入学への期待以外の何かで高まっていた。

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