解説(最後まで読んだ人向け)

注釈

※注1. カフェ『デーメル』

Café Konditorei Demelはコールマルクト通り沿いに実在する老舗ケーキ店。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇妃エリーザベトも愛したお店で、彼女はこの店のスミレのソルベがお気に入りだったという。


※注2. 施錠魔法を解除する為の図形解読術

本編ではあまり詳しく説明されていないので捕捉。

施錠魔法自体は幾つもの図形の組み合わせと本編でも説明されているが、解読困難なパスフレーズと思って頂ければ近いかもしれない。施術者本人であれば瞬時に解錠できるが、これは解除コードを全て記憶したキーに該当する魔法図形を施錠と同時に取得している為に可能となっている。

故に第三者はその解除コードを持っていないのでパスフレーズの解読が必要になると思って頂きたい。

しかし、図形解読術なる魔法も存在する。これは施術された施錠魔法そのものにハッキングしてパスフレーズを盗み出すという殆どチートの様な魔法で、よほど高度な施錠魔法でも無い限り、ものの数分で解読出来てしまう(ヘルマ校長の様な大魔導が本気でかけたものともなると、同等レベルの大魔導が解読したとしても数日はかかる)。

但し、図形解読術も習得は困難で、魔導士養成学校の教師であっても会得している者は殆ど居ない。プリーネが使えるのは初歩的なものだが、それでも幼い頃から特殊な訓練ばかりして来たお陰であるのに加え、潜在的な魔力量が常人と懸け離れている為に何とか会得できたものである。


※注3. ワルキューレ作戦

1944年7月20日に実行されたヒトラー暗殺計画で、映画にもなっている。

クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を実行犯として複数のドイツ軍将校が関与した。東プロイセンの総統大本営ヴォルフスシャンツェ会議室に於いて、シュタウフェンベルク大佐が爆弾を仕込んだケースを机の下に置いて外に出てから起爆スイッチを押すという計画であったが、起爆スイッチを押す直前、計画を知らない将校が足下に置いてあったケースを邪魔に思い、机の脚の陰に移動させてしまった。この事により会議室内で爆破させたものの爆風の威力が弱まってしまい、ヒトラーは軽症で済み、暗殺計画は未遂に終わる。

これによりヒトラー暗殺計画が露見し、シュタウフェンベルク大佐をはじめとした暗殺計画に関与した将校の多くが銃殺刑となっている。

なお、実際の作戦名もワーグナー作曲『ニーベルングの指環』第一部のワルキューレに因んで命名されている。


※注4. ペルム紀末期の大量絶滅

約二億五千万年前のペルム紀末期から三畳紀までの境界に起こった古生物学史上最大の大量絶滅と言われ、地球上の9割以上もの種が絶滅した。

原因は諸説あるが、一つには超大陸パンゲアの分裂期と重なり、それに伴う地球規模の大地殻変動によって各地の火山活動が活発化。噴出した火山灰が大気を覆い、急激な寒冷化、二酸化炭素濃度の上昇などといった環境の変化、さらにはパンゲアの分裂によって海洋生物の多様化が減少した事などが挙げられる。これにより古生代に長らく生き続けた三葉虫などもトドメを刺される形で絶滅している。

この物語におけるノアの大洪水は急激に大陸の移動が始まった(早送り状態)ために大洪水が起こったという設定。


※注5. イプシロンのような模様

物語上は何故このような模様が浮かび上がっているのか不明という設定ではあるが、イプシロンは「ノアの方舟」のエピソードが書かれている旧約聖書の『創世記ゲネシス』をギリシャ文字表記にした場合、「ένεσις」となる為、その頭文字の「ε」から取った。但し、何かしらプリーネの虹彩に模様を入れたいという設定上、作者が思いついたというだけの話なので、物語上そういった理由ではない。

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