第23話傷の猫、ニャン・カポネ

 さぞかしピュアな恋愛だと感慨にひたっていると後ろから「おい」っと怒鳴られて毛を逆立て、きりもみ回転して着地すると、ふーっと唸った。

 「誰だ!」

 っと思って見てみると猫の女の子だった。

 顔に大きな傷がある。

 豪奢な乳白色のドレスを着ていたので一瞬はだかんぼうかと思った。毛の色と似ていたので。これってあるあるだよね。

 「あっ、ニャン・カポネちゃん」

 ニャメロが大声で言うと、ニャン・カポネと呼ばれた女の子猫は彼の頭をパンと叩いた。

 「またワントワープのあの女の所に行ってボロボロにされたんだにゃ! っで? この方達は?」

 ニャメロはペコペコお辞儀して俺達を紹介した。

 「ほぅ、この馬鹿がお世話になったそうね、ありがとよ」

 ニャン・カポネはマタタビタバコ(葉巻型)を加えて子分が火をつけた。

 「このお方は?」

 クララがニャン・カポネに問うてみるとニャメロはちぢこまった。

 俺は雷がなるとよくこうなる。

 「私はこの黒猫に散々美辞麗句を並べられてふられた馬鹿猫にゃ」

 ぷーっと煙をはき傷をがりがりかきむしるニャン・カポネ。

 「えっ!? こんなに綺麗な猫なのにいったい何があったんや」

 チキは驚いたが目は獲物を狙う目になっていた、チキが好みそうな女性である。

 「ワントワープの次期ボス候補のニャリメットを一目見てからそいつにぞっこんさ、あたいはポイ捨てされたのさ」

 「それならボコボコにされても文句言えにゃいにゃぁ」

 チキ、お前が言うなっと思ったがこれは何言われても仕方ない。

 「因果応報」

 クララがゆっくり目をつむり呟いた、ニャメロに聞こえるように。

 「博識な旦那、なんとか僕をフォローしてくださいにゃー」

 ニャメロは泣きすがるように俺にすがり付いてきたので俺は聞いた話だが、そのままだとパクりになるので少し猫風に変えてみんなにさとした。

 「この中にイワシの頭を盗み食いしたことにゃい者だけこの黒猫に残った骨を投げることができる」

 これには皆黙って目をそらした。

 ニャメロはありがたく俺にすりよってきたが、俺は一喝した。

 「おめぇも気を付けにゃさい!!」

 「ニャハハハ、なかなか面白い男だにゃ」

 ニャン・カポネさんに気に入れらた。


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る