第24話中庭で
偵察を頼まれた俺達は、(顔がばれてないので俺達が依頼を受けた、その後、ニャメロがニャリメットに一目会いたいっと言ったのでその娘の部屋の隣の中庭でクララがニャメロを召喚する手筈となっていた)
チキはなんやパシリやないかっと不平をもらしたが、イワシ五千分と猫も食べれるチョコレートを貰った、クララはチョコレートが貰えるので承諾し、チキのハートをいとめたのは、人間族、エルフ族、ドワーフ族、まだ俺が見たことない、大人でも背のちっちゃいドワーフよりもちびのプラン族のマル秘本をもらったので嬉々としていた。
何がマル秘なのかよく分からんが。
★
アントワープにつくと日が落ちて夜になってしまった。そこのアジトにたどり着いたが、その巨大な建物はひっそりと隠れていたパンドレのアジトとは違い、街の目立つ所にあり、さながら王様の宮殿のようであった、青白い月光を浴びて何本ものビスケット色、ビスコッティの柱に支えられており、真ん中に巨大な猫の像が首の所につけるぴらぴらわっかをつけて装飾までほられた洋服に身を包み右手をあげて偉そうに立っていた。
その豪奢でどでかい迫力のある建物に圧倒されながら暗い道、俺達には関係ないがクララのために彼女の手をひっぱてあげた。
でもこの建物を千利休が見たらなげくだろうな、わびさびがなってないって、豊臣秀吉の金の茶室でも頭を抱えたぐらいだからなぁ。
俺達は巨大な扉をそっと開けて、猫は足音を消すことができるが人間はあまりできないので忍者が足の裏に手をあてて低くして歩く歩行術を教えたので、ある程度足の音を消すことはできた。
前の世界で『猫でもなれる忍者になる方法』というコンビニ本を読んでいたのが幸をそうした。
したっぱに気づかれず、中庭にたどり着いた、無駄のない位置に綺麗なお花がたくさん咲いてる、そして真ん中には丸い形をした魚の石像の口が月の光を浴びて幻想的な風景をかもしだしている、洒落た噴水だ周りの自然に生えた苔もまたなんとも言えないがわびさびとはちょっと違い、ターシャ・チューダーのお庭のようだ。
俺達はやぶの中にひっそりと隠れてクララはニャン・カポネからもらった紙に魔方陣を描くと、ニャメロを召喚した、洒落たスーツを着こなしてはいるがプレイボーイ感を存分に表している。
彼は中庭の真ん中に行き、いったん噴水の水を舌でペロペロ飲んだら、深呼吸をして小石をガラス窓になげるとコンと小気味のいい音がなった。
ひらひらしたレースにマゼンダ色のドレスを着た、ぶち猫がゆっくりと上品にバルコニーに歩み寄って下の中庭にいるニャメロをみつめた。
恋してる目だ、そのうちニャメロは月が綺麗ですねっと夏目さんが訳しそうな言葉を投げ掛けるかと思われたがそれはなかった。
「麗しのニャリメット」
月並みの言葉……、おっ月と月並み! ごめんまた上手い事言った。
そんな事はどうでもいいとばかりにニャリメットは腕をのばして 。
「ニャメロ、ニャメロ、どうしてあなたはニャメロなの?」
っとほっそりした肉球付きの手をまるで彼に届けとばかりに伸ばす。
「お父さんかお母さんがつけたからじゃないかな? それかおじいさんかおばあさん」
俺がチキにそう言うと彼女は苦虫を噛んだような表情で
ロマンのないやっちゃにゃあ
っと言った。
「知らないよお父さんがつけたんだもん」
ニャメロがそう言い放ったので俺はチキにドヤ顔をしてみせた。
いきなりクララがはっと息をのむのを感じて後ろをふりかえようとするとクララは茂みから俺達を抱き抱えて中庭に出た。
「にゃにもの?」
ニャリメットは怯えたように俺達の方に顔を向けた。
後ろをとられていた、人間族だ。
白いローブに棒の先に丸い金属がくっついている物を手にして左手にそれをぽんぽんとゆっくり上下させている。
ゲームで聖職者がもつ『こん』っという物だ、聖職者は血を流す事を嫌うのでこれで殴打するらしい、傷をつける事には変わりはないのだ。さすれば彼は聖職者と予想される。
「ニャリメット様、こやつらはその黒猫と同じパンドレの者達ですよ、どうですか? これでお分かりでしょう? その男はニャリメット様を愛してはいないのですよ。情報を調べに来てあなたを利用してるだけです」
「なんで、聖職者がニャングのアジトにいるんや」
チキが腕をぐるんぐるん振り回しながら騒いだ。
やはり聖職者であった、それと俺もそれ思った。
「ここのニャングは政府も恐れ、政治にも関与している巨大な組織、私はここで着々と権力をつけていくのだ」
そのような話はそっちのけでニャリメットは欄干の柱にもたれかかってしくしく泣き出し座りこんでしまった。
「ニャメロ、騙していたのね?」
「そっそんな、嘘だよ、こんな奴ら知らないよ」
なぁにぃーーーーーーー!!!!!
「じゃあ俺達は帰るからな」
ニャメロはハッとして慌てた様子で俺達の背中に叫んだ。
「ちっちがう、口がすべった、ゆるして」
一人になったらこの聖職者にボコボコにされるから必死に頼んでいるのが見え見え。
「でもニャリメットは愛してる、それだけは信じて」
あまりにも自己チュー(猫なのにネズミかよ)だがカポネさんに引き受けられて報酬も先に貰った手前助ける事にするぞ。
「助ける? そんな呑気な事言える立場ですか? お前らはここで死ぬのだ」
聖職者はゆっくりと『こん』をかまえた。
来るぞ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます