第21話倒れてた黒猫
ペペぺの街を後にし、サラサラとベビーブルーの小川(まぁ透明なんだが)ベビーブルーは青い色なのさ。
木々の間の光はカナリア色と紫音色が斑になってとても綺麗、俺の顔も斑模様だ。
ピピピと鳴いてる小鳥を無視してチキは何かを発見した、チキはすぐ楽しそうなのを見つけるが今回は違った。
「ニャーーーーーーーー」っと大声を上げたので多分何羽の小鳥が木々の葉っぱの隙間から逃げて行った。
捕まえたかったのに、もう。
しかし、そんな呑気な事を考えてる場合では無かった。
黒猫の猫族が倒れていたのだ。
「大変だにゃ、早く救急車を」
不思議そうに三人は俺を見たのでここに救急車は無いことを実感した。
「近くの街に運びましょう、ここから近いワントワープに連れて行って、お医者さんに見てもらいましょう」
ワントワープという名前を聞いて黒猫は目を見張った。
「ワントワープはだめにゃ」
か細い声でそう言う。
「どうしてにゃ?」俺は可愛く首をかしげると、クララは何か察しているようだった。俺の可愛い仕草を見たチキは俺の手をとろえようとしたが、俺はバンザイしてよけた。
「わちの男ににゃれ、そしてフリフリのドレス着せて背中をもみもみしてくれ」
しかし、場をわきまえて下さい、っとクララに注意されてチキは黙った。
「ところでどうしてワントワープに行けないのかにゃ?」
俺は傷だらけの黒猫に聞いた。
クララは黒猫を応急処置をしている。
「実は私はパンドレの街の猫だにゃ」
黒猫はうぅっと唸って言う。
チキがあちゃーっと頭をかいた。
「ワントワープとパンドレはそれぞれのニャング(ギャング)の抗争でいがみあってるってので有名やないか、クララごたごたに巻き込まれたくないからほっとくにゃ」
チキのその言葉にクララは首をゆっくり横にふった。
「ワントワープでもパンドレの猫でも関係ありません、怪我をしてる方は治さなきゃなきゃいけません、やはりワントワープに行った方が……」
黒猫は困った顔をしている。
「そんな嫌ならなんでワントワープの近くにいたんにゃ?」
俺は疑問に思い訪ねてみた。
「そっそれは」
黒猫はしどろもどろになった。答えにくそうだ。
俺達を警戒してるのかにゃ?
「ダイ、それはこいつが、ワントワープの事をさぐってからじゃにゃいかのか? そんな事言わんでも分かるやろ」
クララは何か言おうとしたが、俺はその瞬間クララの口を押さえて言った。
「忠言は耳に逆らえど行いに利あり!」
クララ、チキ、黒猫は目を丸くして俺を見た。
「アドバイスは言われるとうざったいと思うけど今後の行いに有利になるぜって事にゃ」
三人がおっーーーーっと言った。
「ダイ、本当に良い言葉を知ってるにゃーやっぱり王子だからかいな?」
(落語で聞いて覚えた話をしただけなのでちょっと気がひけた)
そういや俺、王子だったな。
「あなたのような博識な方がいるにゃら私の悩みも解決してくれるだろう」
「にゃんやにゃんや、何か悩みがあるならわちにしてえーど、とくに……」
察したのかクララがチキのしっぽを引っ張った。
「私はワントワープのある女性に恋をしてしまったたんですにゃ」
黒猫が言った。
対抗する二つの組に恋の波乱の予感がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます