第20話チョコレート戦争
「チョコレートが食べたいです」
ペペぺ街にたどり着いた途端、クララが呟いた。
クララがTwitterしたらフォボがいっぱい来ると思う。
しかし、突然に前触れもなく伏線もひいてないのにチョコレートが食べたいとはどういう事だろう。
「猫はチョコを食べたらあかんで」
チキが通り行く(種族、性別に関係なく)者を品定めするようにちらちら見ながら言った。
「そうだよ、あっあとネギもだめだ」
俺は元にいた世界の知識をひけらかした。
クララはしゅんっと下を向いた。
蟻がちょこちょこ、歩いている。
「蟻は甘いものを食べれるからいいですね」
しかし、俺は大変な事をおもいだした。
「クララは猫じゃないにゃ! だから食べてもいいじゃにゃいか? 猫はチョコは食べれないし、あとネギも」
その瞬間、チキはおでこをペチンと叩いた。
「せや、このペペぺ街はチョコレートが有名だったにゃ」
俺はネギの事を誉められるかと思ったが違ったので鼻の横にしわをつくる。
「チョコレート好きなの?」
俺はクララに聞いてみると、クララは恥ずかしそうに下を向いた。
「皆様が猫なのでチョコが大好きなのを隠していましたが、このペペぺ街に来たら本当にチョコが食べたくなって」
言い忘れたが、このペペぺ街は元いた世界のイタリアのヴェネチアのような街並みで水が街に通っていて、家々は格子窓に壁は蘇芳(すおう)色、すべての家がその色に統一されている、ゴンドラに乗っている人間族の歌が雰囲気を台無しにしているが。
それよりクールなクララが甘い物好きとはやっぱり女の子なんだなぁ。
俺達は濃紺(のうこん)色の金属の看板がぶら下げてある、チョコレート屋さんについた、やはり壁は他の家と同じ色だった。
ペティバ(はだかんぼうの猫が馬に乗っている)絵が箱に描いているチョコがガラスの向こうに置いてありとても綺麗なチョコレートが一口サイズで十二ダース置いてあった。
「これがいいにゃ、買うからには一番いいの買おうやないか」
チキがききとして、言った魔女宅のキキの猫枠を狙っているのか考えすぎであろうか?
「ここのお店はお高めなので別のお店にいたしましょう」
クララはもじもじした。
今日のクララはもじもじしてて可愛い。
パッとチキが回れ右しようとしたクララの腕をつかむと「お金ならこんなにあるから大丈夫だにゃ」
チキの例の革の袋には金貨がぎっしり入っていた、どうしてこんなにお金を持っているんだろう?
悪い事してなきゃいいけど。
恐る恐るクララはそのお店に入ろうととってに手をかけたが静電気がきたようにいきなり手をはなした。
不思議に思ってクララを見つめる。
「やはり、みなさんが食べないにわたくしだけ食べるには……わたくしはただのメイドだし」
でも俺達猫だからチョコ食べられないし、あとネギも。
チキが業を煮やしてそのお店にはいると、猫でも食べれるチョコがあるやん!
っと叫んだので俺達が急いで入ると、猫でも食べれるチョコレートというコーナーがあり俺達もそれを食べる事にした。
ペペぺ街を見下ろせる丘、公園でムーンライトブルー色に塗られた木のベンチに座り三人でチョコレートをたべた。
チキはチョコレートを食べたのは初めてでおいしいにゃ、っとパクパク食べている。
ニコニコ頬を朱華(はねず)色に染めて幸せそうに食べていた。
その様子を見ていると俺はほっこりした、いつもお世話になっているから恩返しだにゃ。
俺はそう思うとネギの形をしたチョコをかじった。
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