第13話音楽はリザードマンにささぐ。

 「お前達の相手はマタタビ王国の王子、ダイが相手だ」

 いつのまにやらチキは俺の後ろに隠れてシュッシュッと自分で言いながらねこパンチを空気に食らわせている。

 リザードマン達は三匹いっせいにサーベルで俺達に向かっていった。

 ジェットストリームアタックの様に三匹がたて一列に並んで襲いかかる。

 一番最初に襲いかかってきたリザードマン、右手にサーベルを持って(さすがにビームサーベルではないが)

横一文字に斬りかかってきた。

 うわぁ! っと俺は咄嗟にしゃがんだので、後ろにいたチキもしゃがんだ。

 「なんやねん」

 っと語気を強めて叫んだ。

 猫だから瞬発力があるらしい。

 その後ろに二匹リザードマンは縦にサーベルを降り下ろす。

 俺は体をくの字に曲げるとチキも反対側にくの字に曲げた。

 「二手にわかれて挟み撃ちだにゃ」

 リザードマンが真ん中にいるのでそれを挟むように「「せーの」」っとねこパンチをはなつ!

 しかし、肉球付きのかわいいふわふわパンチはダメージを与える事は出来ない。

 そこに三匹目のリザードマンが俺を狙ってきた(チキを狙えばいいのに)

 サーベルをこれまた横に振り回す、俺はしゃがんで攻撃をかわした。

 ゴロゴロと芝生の地面を転げまわり。

 全体の毛に緑色の葉っぱがついた、その俊敏な動きにコロシアムの観客はおーっと歓声をあげる。

 俺はすぐに立ち上がり、敵のきこうを突くようにねこパンチを連続に繰り出したが、相手は硬いうろこにおおわれている。お正月に食べようとしてそのままにしたような餅の如く硬い。

 「少しは柔らかくなった方がいいぜ」

 っと俺はカッコいい台詞を心の中で思っていると、バチバチっと音がしたものでそちらに目を向けてみると同時にチキもリザードマンも観客も音がする方を見てみた。

 さすがに草の上に魔方陣は描けない、なのでサポーターが持ってた旗の裏に描いている、サモンメイドクララだ。

 バババっと魔方陣から出てきたのはメチェチコ生まれの黒渕団だ。

 陽気にマラカス、バンジョーをもってる黒渕団。

 尻尾に鈴がついてチリンチリンとかわいい音色をたてている。

 彼らは何事かと思っていたが彼らはオニャノムニャガと同じくクララを見ると召喚されたのだっと納得した。

 リザードマンが興味深げにその陽気な一団を見ているとポテトという口ひげのはやした猫がマラカスをふりふりさせながらリザードマンの手をとり、リザードマンと踊った。

 他の二人も一緒に残ったリザードマンの手をとって踊り始める。

 客席のサポーター達もつられて踊り始めた。

 チキだけ何故か盆踊を踊っていた。

 他の猫達とは一味違うというアピールらしい。

 その瞬間、リザードマンは三匹いっせいに炎につつまれて「ぎゃあー」っと叫ぶと灰と化してしまった。

 ププルプーっとラッパの音がけたたましく流れると突然入ってきた小さな三人組に、観客はざわめいく。

 



  

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