第11話はくにゃマタタ

 俺は次の街でお姫様を捜索するために1日中歩いて疲れていたので野宿していた。

 パチパチと焚き火の薪がはぜる音、暗闇に暖かいオレンジと黄色の色彩が混じってやさしい温度を保っていた。

 これでケモノもやってこないであろうと思っていたが俺もチキも猫で あった事を思いだし林家こぶ平のうっかりポーズをしたら、チキが涙を流すくらい大笑いした。

 「ニャハハハハハハハ」ってね。

 しかし、自分のオリジナルではないので少し罪悪感を感じた。

 森の中で休息していると、クララはうつらうつらと舟をこぎはじめたのでマントをかけて(王子なので一応マントはしていた)

 クララは主人より先に寝てはならないと教えられていたがあまり型にはまるとよくないよ、カブキでも型破りっていうのがあるだろ?っと教えてあげると納得して眠った。

 (カブキというものは知らないですが)っと言ったのでここでも流行って欲しかった。

 クララのお尻の事でチキと話あっていると太陽がのぼり始めていたので起き上がったものの物凄い眠気に襲われれた、ネコはねる子でネコというように眠ってないと厄介だっとチキがあくびをしたあと言った。

 「どうしてネコの名前の由来をしらにゃいぞなもし」

 俺はその質問に答えたくなかったので五郎丸ポーズをしたらこれ以上聞いてはいけないとチキは悟った。

 ★

 次の街へ俺達は向かっていると朝なのに花火がバンバンと音をたてていた。

 スナフキンが被っている帽子みたいなハットを被った集団(すべて猫族)がわらわらと街の方へ向かっていると遠くからでも分かる巨大な円形の建物がある街があった。

 どこかであんな形の建物見たなっと思っていると、テレビで見た古代ローマに造られたコロッセオだ。

 モンスターでも戦わせるのかな?っと思っていると、近くにあのスナフキン帽と正ちゃん帽を(スナフキンは緑、正ちゃんのは赤)被った二グループの猫族が言い争いをしていた。

 「今年もこのチュナフキンズが優勝するぜ」

 緑帽の猫族がわめいた。

 「何言ってんだ、今年こそ我がチョウチャンズが優勝するぜ」

 何の事だろう?っとチキに耳うちすると、チキは信じられないという表情をした。

 「それでもマタタビ国の王子かいな、はくにゃマタタを知らんとは、マタタビ国の行くすえが心配になるにゃ」

 チキはピアノ線のようなぴかりと光るひげを撫でた。

 えー、チキってこんなにツンツンキャラだったかなぁ?

 っと思って次はクララに耳うちすると、クララは親切に教えてくれた。

 「あれは猫族で大人気のスポーツ、はくにゃマタタですね。あの二グループは人気のチームのサポーターで緑の帽子はチュナフキンズで赤いのがチョウチャンズというチームです」

 はくにゃマタタとはどんなスポーツか聞いてみるとクララもあまりあまり詳しくなくあまり上手く説明できないらしいが教えてくれた。

 「簡単に説明すると猫族が二チームに分かれてマタタビボールを猫の手の形もちろん肉球付き、ラケットでうちあい、体に当たってゴロニャンと言った猫は退場で全滅させたら勝ちというルールだったような気がします」

 それを聞いてチキは何故か一回転して俺の近くに来てイキイキと語った。

 「せや、はくにゃマタタはチャツジョーキみたいに興奮するスポーツやで」

 また、何かの暗号みたいな言葉が出たっと思いまたクララに聞いてみた。しかしクララは俺の耳をふさぎチキをギロリと睨み付けた。

 まさに蛇に睨まれたカエルの如くチキはひげをピンっと立てて顔を青くした。

 (それほどまで恐ろしい言葉なのかチャツジョーキって)

 「そっそれはいいとしてにゃ、どや、生きぬきにはくにゃマタタ見にいかへん?」

 俺はてっとり早くお姫様を助け出したいっと思ったがチキの力説により興味を持ったがクララがなんと言うだろうっと彼女の顔をみると遠くを見ていたので(ご自由に)っと解釈して行くことにした。

 しかし、重大な事を思い出したおあしが(お金)がない。

 それに気づいたのかチキは袋の中から大量の金貨が入っていて俺はアイススケート選手ばりに一回転した。

 「でも、どうしてチキはこんなにお金を持っているの? まっまさか、わるいこ……」

 チキはムーッとほっぺをふくらませた。

 「失礼なやっちゃなぁ、わちは猫様の物はいっさい手をださへんで人様のあんどんの油なら拝借するが」

 そっそれじゃそのお金は? っと顔に出ていたのか、チキはホクホクしていた(まるで石焼き芋の芋だ)

 「錬金術で出したんや」っとチキは答えたのでなるほどこの世界に錬金術師がいても……、なっわけない、なんかはぐらかされた感じ。

 

 大きなバームクーヘンのような巨大な石造りの中にぞろぞろといろんな種族(やはり猫族が多い)

 吸い込まれるようにお喋りしながらどでかい入り口に入っていった。

 所々に喧嘩の声がする。

 さっきの連中のような奴らだ。

 そして人混みの中に紛れてイワシの串焼きを売って歩いている、人間族がいたのでチキのお金で買った。

 チケットを買い、席を確保した。

 ウオオオ!! 大熱狂にドームが揺れる。

 ちなみに俺達はチキがまぁまぁ好きなチームチョウチャンズの帽子を被っている(チキは本当はトラノアナーズを推しているらしい)

 チョウチャンズの帽子の上にはポンポンがついててかわいい(お伽噺正ちゃんの冒険というマンガを思い出して懐かしいと思った)

 するといきなり地響きのような歓声があがった。

 チームが入場してきたのだ。

 これから試合が始まる、ワクワク。  



 

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