第9話とりのぞかれた偏見

 しかし、この猫狩りを何とかしないと、物騒で仕方ない。

 何かいい方法はないのか? 助け出した猫達と相談をしてみよう、っと思った。不安そそうにそこのリーダーであったのか茶とらの猫がこちらに向かってきた。

 「いやぁ、最初は人間族のメイドはんが出てきたんで殺されるおもぅとったんや、みなはん、ブルブル震えておってなぁ、そしたら、天使みたいな笑顔見せて助けてくれたんでわち本当ホッとしたよ、言うならば間違えてお汁粉買ったら以外と美味しかったみたいな感じやなぁ、それにそっちの坊っちゃんも猫族やないか、身なりもええし、たいそう安心したんや」

 よく喋る猫族の女の子だなぁ、っと思い関西弁を喋っているのか、クララに相手に聞こえないよう耳うちした。

 「関西弁? あれはぺリステル語です」

 だったら関西の人に怒られる事はないと思い一人頷いた。

 

 かくがくしかじか厩戸皇子と事情を説明するとそのぺリステル語を話す猫は、うーんと考えていた(因みに彼の『っと思ったが女の子らしい』名前はチッチキチーだが長いからチキでいいと言われた)

 「この街のみなはんにわちら猫が怖くない、災いなど起こさないと信じてもらえたらええんやがなぁ、ほらよく言うやないか、信用はいりこの煮干しより大事やでってね」

 耳を近づけてきたクララに俺はそんなことわざあったっけ?っと問いただすと、この世界にはあるらしい、主にぺリステル『ぺリステル語を話す街』の猫族がよく使うらしいので俺も機会があったら使ってみようと思った、結構いい言葉だ。

 「こんな時になぁ、猫チューブのオニャノムニャガさんがいてくれたらなぁ、舞ってみたで有名なあの人や、そしたら猫の事見直してくれるとちゃうんかいのぅ?」

 チキは首を横にふりはぁっと絶望のため息をついたので俺はため息ついたら幸せが逃げるよっと教えてあげたら、ええ言葉やっと誉めてくれた、俺が信用はいりこの煮干しより大事ということわざを教えてもらったのでこれが等価交換かっと納得した。

 でも、マタタビ国のお城にオニャノムニャガさんは置いてきた、今さら連れに行ったら、時間がかかるっと思ったら、クララがチョークを取り出して、床に何か書きはじめた。

 何かの図形? 円の中にたくさんの訳の分からない模様を書いている。

 するとチキが目を見張った。

 「お前さんもしかして、召喚できるんか!

そしてその身なりのいい猫族の格好、もしやマタタビ国の王子と最強のメイドはんのクララさんかいな!」

 クララ召喚できるの? サモンナイトならぬ、サモンメイドだったんだ。

 そして魔方陣の中からオニャノムニャガさんが召喚された、オニャノブニャガさんは目をパチクリさせたがクララを見て召喚された事を知り、「なにかご用かな?」っと落ち着いた雰囲気、低いダンデー(ダンディの最上級)な声で質問した。

 さすがは有名猫、周りの猫がにゃーにゃー騒ぎ始めた、チキももじもじしはじめた。

 かくがくしかじか蘇我入鹿とオニャノブムニャガさんに事情を説明すると王子の頼みならっと快く承諾した。

 あっごめん、一人でもりあがってなにをするか説明するの忘れてました。

 つまり、あの焚刑の柱の前でオニャノムニャガさんを舞ってみせてみんなの心を掴もうとすることにした。

 次の日、街のみんなにパンフレットをクララが配ってくれた戦闘機のミグよりも速いんじゃないかというぐらいに素早く配っていたので目を見張った、やはり最強のメイドだけの事はある。



 興味本位、アンチ、野次馬、様々な人が集まりガヤガヤと騒いでいるがほとんど罵声であった、ここに書くか迷うほどだ。

 お偉いさんも来てるらしくデップりとしたお腹にお髭がカールしてて暑そうに扇子をパタパタさせている人間族だ。

 オニャノムニャガさんが舞台に立った、物凄いオーラでその場が静まる。

 オニャノムニャガさんが扇子をぱっと突きだすとお腹から出るというか体全身に発するような声で「にゃんげん五十人、猫はぁ七回いきぃる」

 冒頭の部分だがそれだけで会場がざわめいた!

 言うまでもなく作戦は大成功だ、皆涙を流している、猫は怖いという偏見がとりのぞかれたそれほどオニャノムニャガさんの舞いは素晴らしかった。

 「俺達が間違っていた」っと反省の声も飛び交いお偉いさんも頷きながら涙をながしている。

 クララが俺にウインクした。あー、よかった。

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