第5話街に到着

 俺とクララは少し休息も必要だと思ったのでとある街に訪れてみると、色々な種族がいた。

 クララに種族の名前を教えてもらった、男性も女性も整った顔だちをしているエルフ族エルフと弓矢は欠かせないっと思っていたが本当に弓矢を背中に背負っていた。

 ぶっきらぼうな顔をした背の低いが老人の様な姿、白い髭が腰の方まであるドワーフ族と鬼のような角をつけ筋骨粒々で図体も大きいオーガ族が朝からお酒を持って酔っぱらっていた。

 そして人間族もいた、昔の俺だ。

 たくさんの種族を見てやはり俺は異世界に来たっと実感した。

 あれ? そういえば今の俺の種族、猫族がいないなぁ。

 俺がキョロキョロしていると王様のお城にいた猫族の匂いはしない。(猫は人間より鼻が敏感らしい)

 俺とクララが石畳をコツコツ歩いていると様々な種族が目を丸くしたりヒソヒソ話をしていた。

それはそうとこの街はテーマパークか世界遺産の昔のヨーロッパの建物のようだ。

 見上げて見ると小さいエルフ族が何かわめいていたが母親らしき女性に抱き抱えられて部屋に連れていき、窓をしめた。

 広場につくと真ん中に柱が一本寂しそうに立っていた、なんだあれ? っと思ってクララに聞いて見ると彼女も分からなかった。

 「宿を探そう」

 俺がそう言うとクララは唐突に眉一つ動かさない固い表情をした。

 無機質に放ったその言葉はまるで何処かのロボットを思い出した。(まぁ、ペッパーなんだけど)

 「折角ですが、お金がありません」

 えぇ! このタイミングでそれ言っちゃうのぉ?

 そう叫んだら他の種族がイソイソと目を会わせないように自分の家に入って扉を閉めた。

 (あれ? そういえば王様から命令されてきたんだよね、王様お金たんまり用意してくれよ)

 うちひしがれたようにしゃがんで髪の毛をくしゃくしゃ手で掻きながら石畳を見ていると足音が聞こえて俺がゆっくり頭をあげると、人間族の中年の男が立っていた。

 物凄く背の高くチョビヒゲであった、ボーゼンと見上げると男はニッコリ笑って俺を見下している。

 「お困りのようですね」

 「お困りだよ金が無くて宿屋に泊められないんだにゃ」

 クララは黙って頷いた。

 「それはぁ、丁度よいでぇすねぇ、実はわたくし宿屋の旦那と仲良しでねぇ。今キャンペーンで猫族のお方を連れた方は只でお泊まりいただいてまぁす、あっわたくしマチュー・ポプキンズというものでぇす」

 それは丁度いい、でもこのおっさん怪しいなぁ。

 まぁそんな事言ってられないにゃ。


 

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