第4話旅立ち

 王様が激怒していた、メイドちゃんがミミを救えなかった事に怒っている。ただ俺も何もできなかったので心が傷んだ、仮にもお嫁さんになる寸前だったにゃんこを助ける事が出来なかったからだ、メイドさんを罵倒し続け肉球のついた拳をふりふりさせている王様は

 「お主が姫を助けるのにゃ」

 メイドさんがあまりにも可哀想だったので俺は勇気を出して叫んだ。

 「私が行きます!! 俺がミミちゃんを守ってあげれなかったので」

 別にミミが好きでは無かったが(どちらかと言うとメイドさんの方に興味がある)

 あの猫をこの世界の前にいた世界で助けたのに__この為に俺は死んで猫になっちまったが__ゴブリンに食べられでもしたら意味がない。

 メイドさんは一緒について来るときかなかったので仕方なく一緒に行く事にしたが正直心ぼそかったし、とても綺麗なメイドさんと旅に出るのはなんだかデートみたいで(目的はそんなのほほんとした事ではないが)ウキウキしていた。

 そういえばメイドさんの名前聞いて無かった。

 「クララです」とメイドさんは答えた。

 俺はアルプスの少女ハイジを思いだしたがさすがに、この世界ではハイジは放送してないだろうっと思っていると

  「クララが立ったとは違いますよ」

 えーーーー、この世界でもアルプスの少女やってんのかー。

 すげぇな日本のアニメ。


 広々とした草原に出ると、とても爽やかな風が俺の鼻をくすぐった。

 しかし、そんな呑気な事を言ってる場合ではない草原にはゴブリンが歩いていてこっちを見ている。

 草原の草の緑とは似て非なるものだ。

一匹のゴブリンが俺達にめがけて棍棒で殺しにかかってきたのでクララちゃんに良いところ見せようと思いゴブリンのお腹に猫パンチをくらわせた、ペチっとむなしい音が広い草原にこだました。

 痛い! 痛い!

 骨が折れたんじゃないかと思われる痛さだ。

 ゴブリンが反撃しようと棍棒を振り上げた瞬間、クララがゴブリンを回しげりをぶっ飛ばした。

 ゴブリンは「ゴオオオオオ」っと叫びながらスローモーションになり最後にゴブゴブっと超武道伝でセルがやられた時のような声を出しゴブリンはそのまま草原に大文字に倒れた。

 仲間のゴブリンがそれを見て突進してきたがクララには指一つ触れる事が出来なかった。

 まさにしゅんそくのア○ナあっこれだめだ無かった事にして。

 とにかくも物凄い速さで二匹のゴブリンをねじふせた。

 動きが見えなかった、一瞬メイド服のひらひらが動いたと思ったらゴブリンはやられていた。

 パンっとドレスについた草をはたいたクララは俺の方に振り向きニッコリ微笑んだ。

 「さぁ、行きましょう」

 このメイドさんつぇぇぇぇぇぇぇぇ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る