第2話異世界きちゃった。だが猫
俺はあきらかに動揺している、6本のひげをピーンと伸ばしあたふたして、また泉を見て自分の姿を確認する、にゃーっとムンクの叫びポーズをすると手がフカフカしていた、羽毛布団にも負けないであろう。
ネコ少女の方を振り向くと彼女は首をかしげてニッコリ笑ったので俺は、鼻に線がある猫やウサギの特徴でもある口を、大きく開いて牙をみせてにゃぁにぃっと叫んだ。
だが、完全な猫ではない顔や耳などはちゃんとした猫であるが二本足で立てる、服も____俺が今まで着たことない上質な生地で作られた服であった___
そんな服は見分けがつかないと思っていたが、着てみるといつものTシャツとジーンズとは全然違う質感であった。
そもそも言葉もはなせるし、猫同士だからかな?
向こうから何かが来るような気配がしたのでそちらの方に顔を向けると今気づいた、大きな黒い猫の顔の形の建物(多分お城であろう)空気遠近法でうっすらと霧につつまれたように聳えている。
「あの、マタタビ城が、大ちゃんのお城だにゃ」
最初に出会った猫が言った、
少し時間が立つとなにか楽器のようなものの音がしてガチガチの鎧、西洋の中世ヨーロッパの騎士が装着していた鎧のような物につつまれた人(猫かも)が音楽を鳴らしたり旗をもっていたり、金ぴかの輿におでぶな猫がどっこり座っていた、どっかりじゃなくどっこりなのがその重さを顕著に表している、重たそうな、宝石をたくさんつけたペンダントをぶら下げ頭には金色の王冠を被っている所から王様と思われる、てかそうだった。
自分でマタタビ国の王じゃっと低い声で言っからだ。
見た目はさすが王様、黒い毛並みはつやがあって洋服も小綺麗で上品だがペンダントがそれを台無しにしていた。
洋服などは家来さん達が頑張ったんだろう、ペンダントは王様が選んだのであろう。
王様を見ていて気づいてなかったが輿の隣にメイドさんがいた、それは人間だった! 自分の両手を重ねて前の方にやっていた。
質素なメイド服ではなく豪華な可愛いメイド服であった、そして銀色フレームの眼鏡をかけていた、その奥にはまつげがとても長くてパチパチ瞬きするたびにゆれた。
お山の方も大きい。
「人間もいるの?」
少し離れていた最初に出会った猫の子の元に行き頭の上にある耳に囁いた。
「えぇ、この世界はたくさんの種族がいますよ」
俺は自分のフワフワの指をこめかみに持ってきてもみもみした。
わかんない事が起きた時に俺はこうするみけんが痛くなるのだ。
百歩ゆずって連れてきてくれたのはいいとしよう、しかし何故に猫にした、猫神様だからかな、やはり。
猫になっても王様の横にいるメイドの人間の女の子(前の世界の俺と同じぐらいの歳かな?)にはドキドキするものがあった。
たくさんの種族がいる、もしかしたらこういう所にはゴブリン等がいるかもしれない、またも猫の子に聞いてみると迷いもなく「いますにゃ」っと言った。
ゴブリンはゲームでは雑魚だが実際にいたらかなりやばい。
(武道など習っとけばよかった)
「これこれ、王様を差し置いて話をするでない」
漫画などでしか見たことない片方だけの眼鏡をかけた茶とらでめっちゃ細い雄猫(プリッツも驚きの細さ)が注意した。
すると王らしき猫が___細猫が王様っと言ったからそうであろう___が輿から立ち上がって。
「よいよい、お主はわしの愛娘ミミ姫を助けてくれた、ミミ姫はそなたとしか結婚せぬと言っておる、わしも賛成じゃ、じゃがお主は人間じゃったから猫イド___猫の神様の仲介をするシャーマンの事だにゃ___
その猫イドに願ってもらい、猫神様にお主を猫にしてもらったのにゃ」
「ちょっと待つにゃ、俺は元いた世界で猫を助けたんだぞその猫は俺のいた世界の猫だぞ」
「あなたの世界とこの世界は似ているの、だからあなたの元の世界とここの世界に似ている猫はいるわ、あなたは死んでしまったから元の世界には帰れないけど」
女の子猫はそう言ったがよくわからなかったが二○国と猫の○返しを思い出した。
王様が抑揚のある声で杖を天にかざして叫んだ。
「これよりそなたを我息子とする事をここに宣言する、さぁ二人よお城で挙式をとりおこなう、お互いに手をとり城に向かうがよい」
にゃおーん、にゃおーんっと猫笛__後で聞いたらそういう楽器らしい___をふき猫ラッパがけたたましく青空に吸い込まれていった。
俺が困惑していると暖かい肉球が、ペタッと俺の(俺にも肉球はついていた、これだけは猫になってよかったと思うものだ)手を握ったのは最初に出会った猫の女の子だ。
お姫様だったんだこの子!
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