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また、わたしは天からこう告げる声を聞いた。「書き記せ。『今から後、主に結ばれて死ぬ人は幸いである』と。」〝霊〟も言う。「然り。彼らは労苦を解かれて、安らぎを得る。その行いが報われるからである。」――――ヨハネの黙示録十四章十三節
そう。彼の見せたあのあさましくも美しい欲望こそが、地の民の幸せなのだ。愛するものとふれあい、つながり、そして交わる。おのれのあらざるところを、あらざるままおのれとする。知恵の木の実による矛盾から逃れるのではなく、立ち向かう。それが達成されたとき、地の民は
ならば私は、それをかなえなくてはならない。どんな形になろうとも、それが主から与えられた使命なのだから。
私は翼を広げた。そうして羽の一つ一つを、地上へと降り注がせた。 地上に降り注ぐまでの間にそれは、空中でさなぎのような形に変化する。大気から地の民の欲望を感じ取り、それを内部に取り込んで成長する。みるみるうちに膨らみ、成長したそれは、地上にたどり着くことによって解き放たれる。
さあ行くのだわが羽よ。地の民が為その身を、彼らのもとに捧げるのだ。
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