ないとれーにんぐ 信じて送り出した幼馴染のおねーちゃんが勇者のスパルタ教育にドハマリしてオリジナル笑顔ダブルソード戦闘記録を送ってくるなんて……

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あねーとられ編

ぷろろーぐ おねーちゃんとの約束

「僕、おとなになったらタマキィーおねーちゃんとケッコンするんだっ!」

「もう、マー君ったら……うん、ずっと待ってるね、あたし!」


 そんな風に、ぼく、モーブ・マークウィッスルと幼馴染のおねーちゃん、タマキィー・アスナトリアは将来を誓い合った仲だった。

 といっても、もちろんそれはお互いが小さいうちに交わした、それこそ口約束みたいなもので、ぜんぜんちゃんとした約束だったわけじゃない。

 それでも僕は、綺麗で、知性に溢れたタマキィーおねーちゃんに、とても憧れていたんだ。おねーちゃんだって、きっと僕のことが!

 でも……


「タマキィー・アスナトリア。貴女を王都付き騎士団の騎士見習いに任命する」


 そんな通知が、僕らを引き裂いた。

 なんでも、最近はモンスターの数が増えているらしく、すこしでも才能があるひとは王都に召し抱えられてしまうらしい。

 そこで苛酷な訓練を積むのだと聞いて、僕は蒼白になった。

 僕はおねーちゃんに断るようにお願いしたけど、命令だからって……


「きっと帰ってくるからね。だからそれまでに、マー君も強い男の人になっていてね、約束よ?」

「うん、約束だよ、おねーちゃん!」


 そうして、おねーちゃんは笑顔で王都へと旅立っていった。

 まさか、それがあんな事態を招き寄せるなんて、僕は思ってもいなかった……

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