第2話 両親は実は凄い人でした。
家に帰って事情を話すとあっさり了承をした。
「いいんじゃないかしら。私は歓迎よ。結構いい学校だしね」
「そうだな。評判もいいし、行ってみた方がいい」
「え、ちょっ!!」
僕が反論する間もなく、2人が納得してしまった為僕はその学校に行くことになったのだった。
「なんだよー、結構疲れてんな。そんな悪かったのか?」
「別に。結構よかったよ」
結構どころじゃなくかなりだけど。
「じゃ、何でそんな元気ねぇんだよ」
「……お前に話しても多分分かんないと思うから止めとくよ」
「お前、喧嘩売ってんのか?」
何であんな厄介そうな学校に入学しなくちゃいけないんだ。僕はただ静かに過ごしたいだけなのに。
そして、時が過ぎあっという間に卒業式。
「……以上を持ちまして、卒業証書授与式を終了します」
拍手喝采で僕達は中学卒業をした。
「あ、あの、安倍先輩。ちょっといいですか?」
「え、うん。いいけど」
「おっと?告白か?」
「……場所変えようか」
僕はひやかす奴がいない所に歩いて行った。
「で、何?」
「安倍先輩、私と付き合ってくれませんか!?」
そう言うと、顔を真っ赤にして僕を見ていた。決死の覚悟と言う事か。確かに、この人とは絶対に違う学校になる訳だし、そもそも学年違うし。今がチャンスってやつね。
「ごめん。僕は人と付き合うとか興味ないんだ。僕はあまり恋愛に興味がない。だがら君の告白には答えられない」
そう言うと、茂みから皆が出て来た。
「だから押すなって言ったのに!……あ」
「お前ら……」
「は、走れ!!」
僕は少し追いかけてさっきの場所に戻った。そしてしゃがんでいる女子生徒の前に立ってハンカチを渡した。
「僕さ、女子に興味が持てないんだ。あ、言っておくけどゲイじゃないからね。昔からずっと。だから、女子の心とかよく分かんないんだよ。だから、こんな僕と付き合っても面白くないと思うよ」
「そんな事ありません!私、先輩が好きになってくれるような女の子になります!!」
僕は口に指を当てた。
「そんな事女の子が軽々しく言っちゃ駄目だよ。でも、これ」
僕はメアドをその子に渡した。
「僕のメアド。友達なら随時募集中だから」
そう言って僕はその場を後にした。男子のいる所に戻ると、皆僕を見ていた。
「お前って天然のイケメンだよな」
「え?」
春休みが過ぎ、入学式当日になった。
「母さん、別に無理して来なくていいよ」
「いいの。私は行きたくて行くの!今日は何も予定ないの!!」
こうなったらもう誰にも止められない。
「父さんからも……」
父さんはネクタイを締めて行く気満々だ。こんな人は何も言わない。
「……はぁ。分かったよ、でもあんまり目立たないでよ」
僕は生徒の集まりで先に行く事にした。
駅を出ると、やっぱり自動的に学校前に着いた。何か変な感じだな。
「あ、いたいた!安倍真だよな?」
「え、そうだけど。君は?」
制服から見るに1年生だ。でも、この人と話したことないよね?何で僕の名前知ってんの?
「あ、悪い。俺は
結構元気な男子生徒だ。苦手なタイプかも。
「あ、ああ。君も陰陽師に?」
「まあな。俺は
「そうなんだ」
そうして話しは終わった。
これぞ、僕の会話術。人は「そうなんだ」と言われると話しにくくなり、自分からその場を離れる。僕が一人になりたい時に使う物だ。
「で、お前はどうなんだよ」
えー?なんで僕の会話術が通じないの!?この人もしかして
つーか、陰陽師になりたい奴の前で「僕、手違いでここにきて何か入学しちゃったんだよね」なんて言えるわけないでしょ!?
「え、えっと、分かんないんだ。僕、そう言うのに興味なくて」
「ふーん。お前、結構食えないな」
そんな話をしていると、招集がかかった。
「今期入学の方はこちらにお並びください」
「じゃあな」
そう言うと、そのままどっか行ってしまった。
「おっと、僕も行かなきゃ」
「……であるからして。高校生活を楽しんで下さい。以上」
眠い。眠すぎる。どうしてこんなに眠いんだ。
「次に、生徒会挨拶。生徒会長、
「はい」
声を出して立ったのは黒髪のよくいる美少女だった。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は等学園で生徒会長を務めさせていただいています、蘆屋詠歌です。等学園では色々な事を実施しております。なので、色々な物を見て、聞いて、感じて下さい。そうすればあなた達は精霊に愛されるでしょう」
……あれ?一瞬僕を見た?気のせいだよな。
「生徒会会長、蘆屋詠歌」
そう言ってその場を後にした。っとと、僕も挨拶をするんだった。僕は一応退魔の仕方を知っていた為、優秀性として選ばれたのだった。
「次に、新入生代表。安倍真」
「はい」
僕は壇上に上がった。何となくだがザワザワしている。
「暖かな春を迎え、僕達はこの学園に入学しました。僕はたくさんの新しい友人、先輩、先生方と出会い、たくさんの思い出ができる事を楽しみにしています。なんて思いは更々なく、僕は静かに過ごして行きたいと思っています。こんな職で静かになんて言えないと思いますが僕は平穏を望んでいます。平和で仲良く僕達が過ごして行くことをここに誓います。4月7日新入生代表、安倍真」
僕は紙を置いて、すぐに席に座った。
疲れた。つーか、めっちゃ緊張した。流石に人見知りにはあんな挨拶は無理に決まっているじゃないか!!
「真、お前今や有名人だぞ」
「え、なんで?」
そう言うと面をくらったかの様に僕を見ていた。
「何でってお前。そりゃ、お前が新入生挨拶であんな事言うんだから当たり前だろ。”なんて思いは更々なく”ってとこ」
「ああ。だって本当に無かったんだしょうがないだろ」
「お前、正直だな。そうそう、このクラスの女子の顔面偏差値高くないか?」
「僕はそんなの興味ないよ。それに、それって中学までじゃないの?」
そう言うと晴鬨は呆れた顔をしていた。
「お前、告白されたことないだろ」
「あるよ」
そう言うと、クラスの全員が僕の方を見た。主に女子。主にと言っても、この学園は女子が8割、男子が2割のほぼ女子校。
「何回?」
「え?えっと、7回くらいかな。1年で」
「マジかよ!?で、その中で付き合ったのは?」
「
そう言うと、目を見開く男子とホッとする女子に別れていた。
「その中に可愛い子はいたんだろ?」
「ま、いたね。でも、僕は女子に興味ないんだよ。もちろん男子にも。だから、告白されても断ってた」
「マジか……。ま、お前結構評判だしな。顔も」
「そりゃどーも。じゃ、僕は母さんのとこ行かなきゃいけないから」
「おう!また明日な」
僕は鞄を持って教室を後にした。
「あ、待ってくれ。安倍!」
「え?何ですか、東堂先生」
僕を引きとめたのは
「ちょっと保健室に来いと花開院先生が呼んでいたぞ」
「分かりました」
僕は保健室に鞄を持って移動した。
「えっと、”ごめん、ちょっと用事が出来たから先に帰ってて”っと」
それにしても、用って何だろう。
「失礼します」
「あ、やっと来ましたね。ここに座って下さい」
僕は言われた通り席に座った。
「実はですね、安倍君の先祖を調べたところあなたの先祖は安倍清明だったんです。だから、あなたのご両親のどちらかも安倍家に関係すると思っています。御名前を確認しても?」
「はい、
そう言うと先生はとても驚いていた。
「御2人ともこの学園で学んでいた生徒ですね。それに2人とも学園首席で卒業されています」
両親共、めっちゃすごい人だったんかい!!
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