3.ここまで話すと、
ここまで話すと、私の娘は、
「リカイデキナイ, Daddy アミガ スキナノニ アミヲ ノゾマナイ? タシカジャナイ?」
ビーチの波打ち際で寝転びながら、自分の昔話しを13歳になる娘に話しをしていた。
「アミヲ アイシテ ナカッタ?」と娘は、私を責める様に聞く。
「もちろん、愛してたさぁ。でも君が思うほど簡単じゃないんだ。今だから言えるけど、2つの愛が同時に進行する事もあるんだ。
例えば、この波の様に行ったり来りする。同じ海なのに、違う波。それで、何時までもそこに在って、無くなったりしないんだ。」と答える。
そう、人の心の中には、沢山の引き出しがある。
その1つ1つが記憶と経験であり、それを変える事はできないし、その時、感じていた思いも、変える事はできない。
コンピュータのファイルではない。 Delete なんかできない。
ただ、自分が求める引き出しだけが、少しずつ鮮明となっていき、あとの引き出しは、薄っすらとした霧の中で、少しずつ色あせてゆく。
娘が、
「ソレデ ドウナッタノ、Daddy? 」と聞くので、
「馬鹿なティーンエージが馬鹿な事をしただけさ。」とだけ答えた。
私がそう言うと、娘はビーチバッグからポップコーンを取り出して食べ始め、カモメやパイパー等の海鳥たちが娘の周りに集まり始めた。
「海鳥に餌をやっちゃだめだよ、ライフガードに怒られるよ。」と言ったが、
「 I don't care! 」と娘は言って、海鳥達にポップコーンをあたえ続けた。
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