第20話
歴史から学ぶとは
水戸市と彦根市は、明治100年を機に敦賀市の仲立ちにより、昭和43年10月29日【親善都市】の盟約を結びました。
《安政の大獄》《桜田門外の変》以来の歴史的なわだかまりを解消したのです。
感動的な出来事だと思います。 以来、観光をはじめとして各分野で親善が図られています。 千波湖の白鳥は、彦根市から友好のしるしとして贈られたものです。 水戸市からは梅の木が贈呈されています。 麗しい友好関係だと思います。
では、何故、仲介役が敦賀市なのか?
これにも歴史的な理由があります。
江戸時代末期、武田耕雲斎を総大将とする水戸藩脱藩浪士・天狗党一行(尊皇攘夷の激派)が京に上る途中、幕府に降伏し、352名が敦賀市の松原海岸で処刑されたのです。
この悲劇は明治維新3年前の出来事です。 処刑された一行は、その後、敦賀の人達によって手厚く葬られ、松原神社に祀られました。
これに感謝の意を表して、松原神社100年祭が行われたのを機に、 昭和40年4月30日、水戸市は敦賀市と【姉妹都市】の盟約を結んだのです。
これは水戸市と彦根市の親善都市盟約の3年前の事です。
こうした経緯により、敦賀市が仲立ちの労を執ったのです。 毎年10月10日の松原神社例大祭には、水戸市の関係者が参列する他、 観光交流や親善友好少年交歓研修生の相互派遣など 各分野で親善が図られています。
敦賀市が、いちばん立派かも知れません。 いや、水戸市も彦根市も立派です。 過去の出来事は出来事として、それを乗り越え、友好関係を築いた先人の行動は、次代への良きお手本となりました。
歴史から学ぶとは、こういう事なのだと思います。
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