第一章 ニンギョヒメ

にんぎょひめのおはなし

 むかーしむかし、あるところに、とてもうつくしい、にんぎょのおひめさまがいました。


 あるとき、にんぎょのおひめさまは、にんげんのおうじさまにこいをしました。にんげんのおうじさまも、にんぎょのおひめさまにこいをしました。

 しかし、にんげんにこいをしてはいけないという、うみのおうさまがきめた、うみのきびしいおきてがありました。

 にんぎょひめは、おおさまのめをぬすんでは、にんげんのおうじさまにあいにいきました。

 それをしったおうさまは、はげしくおこりました。そしてにんげんのおうじさまにねむりののろいをかけました。

 にんぎょのおひめさまはかなしくて、かなしくて、なきました。ずっとなきました。


 おうさまはにんぎょのおひめさまをかわいそうにおもいました。そこで、おうさまはにんぎょのおひめさまの『あい』をためすことにしました。

 おうさまから、しんじつの『あい』さえあれば、おうじさまのろいがとけるときいたにんぎょのおひめさまは、しんじつの『あい』をさがすたびにでました。


 そしておうさまがあたえたかずかずのしれんをのりこえたにんぎょのおひめさまは、ついにしんじつの『あい』をみつけました。


 にんげんのおうじさまはねむりののろいからときはなたれました。

 おうさまはにんぎょのおひめさまのゆうきと『あい』をみとめ、ふたりがむすばれることをゆるしました。



 こうして、にんぎょのおひめさまはにんげんのおうじさまとずっとなかよくいっしょにくらすのでしたとさ。

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