きゅうびのキツネさんのおはなし

 むかーしむかし、あるところに千年せんねんいきたキツネさんがいました。ながくながくいきたキツネさんには、しっぽがここのつありました。しっぽがおおいほど、えらいキツネさんなのです。

 しかし、そのキツネさんはとてもいじわるで、みんなにいたずらをしてはよろこんでいました。キツネさんはおさけがだいすきで、よっぱらってはあばれていました。

 こまりはてたみんなは、ちからをあわせてキツネさんをこらしめることにしました。けれどもキツネさんはずるがしこく、にげまわってはわるさをくりかえしました。

 みんなはせかいでいちばん力もちの男に、キツネさんをこらしめてもらえるようにおねがいをしました。せかいでいちばん力もちの男はおおきなこえでいいました。

「わかった。おれにまかせておけ!」


 せかいでいちばん力もちの男は、たくさんのおさけでキツネさんをよびよせ、あっというまにつかまえてしまいました。

「もうわるさをしないので、ゆるしてください」

 キツネさんはうまれてはじめて、なきながらいいました。

「みんなにあやまるんだ。そうしたらゆるしてやろう」

 せかいでいちばん力もちの男は、キツネさんのくびねっこをつかんで、おおきな声でいいました。

 キツネさんはひとりひとりに、なきながらあやまりました。

「ごめんなさい。もうわるさはしません」


 こうしてキツネさんはこころをいれかえ、みんなのためにはたらくようになりましたとさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る