ひとりぼっちのスライムのおはなし

 むかーしむかし、あるところにひとりぼっちのスライムがいました。

 スライムはみんなからいじめられていました。いつもひとりぼっちでないていました。


 あるとき、天からあくまがあらわれ、スライムにささやきました。

「おれがおまえのねがいをなんでもかなえてやろう」

 スライムはあくまに、だれにもまけないつよい力をねがいました。

 あくまはスライムのねがいをかなえました。


 スライムはつよい力でおおあばれしました。そして、じぶんをいじめたみんなにしかえしをしました。

 スライムはゆかいなきぶんでした。これでもう、だれにもいじめられません。


 きがつくと、スライムのまわりにはだれもいなくなっていました。スライムはやっぱり、ひとりぼっち。

 スライムはなきました。スライムはほんとうのねがいにきづきました。

 スライムはあくまにいいました。

「こんな力、もういりません。だからぼくにともだちをください」

 あくまはわらいました。

「ともだちなんかできるもんか。ほら、みてみろ。みんな、おまえをみただけでにげていく」

 スライムはじぶんがおそろしいすがたになってしまったことにきづきませんでした。みにくい、大きな大きなかいぶつになったスライムをみて、みんなにげていきます。


 スライムはなきましたが、だれもたすけてくれません。

 あくまはにげるみんなをみて、たのしそうにわらいます。


 そこに水のめがみさまがあらわれました。めがみさまは、スライムをやさしくやさしくだきしめました。

 あたたかいひかりが、スライムをつつみこみます。


 あくまは「こわい、こわい」といって、ひかりからにげていきました。


 きがつくと、スライムはもどのすがたにもどっていました。

 水のめがみさまはいなくなっていました。


「だいじょうぶ。なにもこわくないよ。さぁ、ともだちをさがしにいきましょう」

 水のめがみさまのこえがきこえました。


 そしてスライムにはたいせつなたいせつなともだちができ、しあわせにくらすのでした。

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