かいぞくとラミアのおはなし

 むかーしむかし、かいぞくがいました。

 

 かいぞくはななつの海をせいはし、なにもこわいものはありませんでした。けれどかえるばしょがありません。

 かいぞくはひとしれず、ときどきなきました。


 あるところにかえるばしょのないラミアがいました。ラミアはみんなからいじめられていました。

 ラミアはひとしれず、ときどきなきました。


 あるとき、かいぞくはいじめられていたラミアをたすけました。それはそれはとてもうつくしいラミアでした。かいぞくはそのラミアにひとめぼれしました。


 かいぞくはそのラミアのために、かえるばしょをつくってあげました。

 ラミアはかいぞくのきもちをうけとり、いっしょにくらすことにしました。

 

 ラミアはかいぞくのかえるばしょになりました。


 かいぞくはもう、なきませんでした。

 ラミアももう、なきませんでした。


 ふたりはずっとずっと、なかよくくらしました。

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