異世界転移で最強へ・・・お前等いい加減にしろよ!

大阪府枚方のとある工事現場に彼は居た。


「ふぅ…疲れたぁ~」

「お疲れ無理兄さん」

「おうカズヤお疲れ~」


俺の名前は『岩崎ヒロシ』、工事現場で働くアルバイトが終わったばかりのフリーターだ。

趣味で『お前それは無理だろ』って言われる事をするのが好きで付いたあだ名が『無理兄さん』だ。

趣味が趣味なだけに様々なモノに手を出していて何が得意かと聞かれたら『出来なかったらやれるまでやるだけ』と返すのがいつもの事だ。


今日は仕事帰りに回転寿司に行った。

そして、カウンターの椅子がない場所に空気椅子で食事を取る。

食べ終わりレジに行こうとした時に異変が起こった。

まるで視界がグネグネ歪むようになり俺の体は突然消えた。



目が覚めると真っ暗な中に光で出来た人形の何かが話しかけてきた。


「ヒロシでよかったかな?」

「そうだが」

「驚かないんだね、突然こんなところに連れてこられて」

「驚いているさ、でも大体想像はつく。」

「ほぅ、流石だね。君の予想通り君は異世界に召喚された。」

「えっ?」

「えっ?」

「三途の川じゃなかったの?」

「…まぁ、とりあえずだ。異世界に召喚された人間はなにか一つスキルを授けることになっててね、何がいい?」

「スキル…なんかそういうゲームみたいなの微妙なんだよね…頭を使ってとか面倒だし強くなりたいな、今の倍くらい」

「分かった。転移されたら身体能力が倍になるようにしておくよ」

「おぅあんがと」

「それじゃ頑張って良い異世界生活を」


視界がまたグネグネになってヒロシは意識を失った。



「ん、ここは?」

「ををっ?!成功ですぞ姫!」

「はい!やりました!」


地面に魔方陣が書かれたその場所は何処かの城の中をイメージさせた。


「勇者様、この度は突然お呼び出ししてしまい誠に申し訳ありません」


姫と呼ばれていた女の子が頭を下げる。

とりあえずこの子が自分を異世界に召喚したのだと理解はした。


「ここは?」

「ここはアーリア王国のアーリア城。今この国は魔王によって…」


良くある魔王が復活して世界がピンチだから勇者を呼び出して何とかしてほしいってやつだった。


「こちらの水晶玉を…」

「これは?」

「ステータスを映し出すマジックアイテムでございます。お手を…」


言われるままに水晶に手を当てるとステータスが表示された。


名前:ヒロシ

HP:20

MP:5

力:4

早:3

守:4

魔:2


全員が口をあんぐりと開けて固まる…


「な…」

「な?」

「何て弱さだ?!」

「どうする?」

「こんなんじゃレベルアップしてもたかが知れてるぞ!」

「どうでしょうか?無かった事にしてもう一度やり直すのは・・・」

「・・・」


こうして俺は城を追い出された。

勝手に呼び出しておいてこの仕打ちは無いんじゃないか?!

そんな愚痴を言おうとした時に再び視界がグネグネとなり意識を失った。




目が覚めるとそこは祭壇の上であった。


「ををっ成功だ!」


後ろから声がして振り返ると数名のローブを着た人達が立っていた。


「ようこそいらっしゃいました。勇者様…」


ここは『カーリア』と言う国らしく目の前の天才魔導師と言われている娘が俺を呼び出したのが分かった。

そして同じような水晶玉を持ってこられ…


名前:ヒロシ

HP:40

MP:10

力:8

早:6

守:8

魔:4


「むぅ、弱いですな」

「これでは使い物になりません」

「残念です」

「仕方ありませんとりあえず彼は用済みと言う事で・・・」


そう言って森の中へ追い出された。


「何なんだどいつもこいつも?!」


怒りに震えるヒロシの視界がまたグネグネにし出した。


「もうやめれー!」



そこは教会の中でそこは『サーリア』という国。

同じ様にシスターが出てきて水晶玉を出して… 


名前:ヒロシ

HP:80

MP:20

力:16

早:12

守:16

魔:8


「勇者様だと思ったのですが残念です」


そう言って追い出された。

そしてまた…グネグネ~


そこは防空壕の中。

戦争中のその国の名は『ターリア』

んでやっぱり水晶玉で…


名前:ヒロシ

HP:160

MP:40

力:32

早:24

守:32

魔:16


「ちっ一般人並か…追い出せ」


女兵士に外に叩き出され爆発があちこちで起きる中逃げ惑い…グネグネ~


目の前にエルフが居た。

絶滅寸前のその国は『ナーリア』

で水晶玉…


名前:ヒロシ

HP:320

MP:80

力:64

早:48

守:64

魔:32


「この魔力量では…」


やはり森の中へ追い出された。グネグネ~


目の前に人の言葉を話す龍、もうどうでもいい…

その国は『ハーリア』

水晶玉…


名前:ヒロシ

HP:640

MP:160

力:128

早:96

守:128

魔:64


「ちっ外れか、出て行け!」


追い回されて洞窟の中…グネグネ~


目の前に天使の大群

国は『マーリア』

水晶玉…


名前:ヒロシ

HP:1280

MP:320

力:256

早:192

守:256

魔:128


「普通の人よりは強いですが・・・ごめんなさい、勝手に呼び出したのに・・・」


雲から突き落とされた。

死ぬぅぅぅぅぅ…グネグネ~


魔物達の住みかで…

国は『ヤーリア』

水晶玉…


名前:ヒロシ

HP:2560

MP:640

力:512

早:384

守:512

魔:256


「人間にしては強いが…足りんな、行けっ」


真っ暗な洞窟の中をさ迷い歩いて…グネグネ~


そこは全てが機械の世界『ラーリア』

胸に文字が表示されて会話が出来るアンドロイドの女の子が水晶玉手渡してきた。


名前:ヒロシ

HP:5120

MP:1280

力:1024

早:768

守:1024

魔:512


何故かガッカリされて牢屋に入れられた。

そして少ししたらグネグネ~




そこは大阪であった。

目の前に在る枚方城と言う異名を持つラブホテル…

遠くで喧嘩をする声が聞こえる…


「なんやこらぁー!やんのかワーリア!」


関西弁での言い争いが安心を与えてくれる…


「か…帰ってきた…帰ってきたんだ!」


ヒロシは涙を流しながら軽くジャンプした。


「へっ?」


ヒロシは空高く飛んでいた。

大阪湾が見えるのだ。

そして、何事もなかったかのように着地してこれは夢だと判断し家に帰った。

時刻は既に午前4時を回っていた。

5時に仕事が終わって回転寿司に居たのが6時か…

まさか1世界1時間か?!


そして、翌日の仕事が午前9時からだから4時間は寝れる!

そんな無理を通すから無理兄さんなんて呼ばれているわけだが翌日大問題が発生した。

ヒロシは強くなりすぎたのだ。


「積み換え終わりました!」

「おい兄ちゃん25キロの紙袋100個だぞそんなに早く終わるわけが…」


片手で4袋を肩の上で積み上げて軽々と運ぶヒロシ。


「アイツはターミネーターにでもなったのか?」

「いつもはシーモネーターですのにね…」


そして…


「兄ちゃん危ねー!」

キキキードガーン!


運転を誤ったトラックがヒロシをコンクリートの壁にプレスしたのだ。


「きゅーきゅーしゃー!」

「落ち着け!人工呼吸だ!」

「呼ぶの意味違うし、人工呼吸の前にトラックをバックさせろ!」


トラックをバックさせて全員驚愕に震えるのだった。

コンクリートが人型に凹みそこにヒロシが居たのだ。


「いや~ヘルメット被ってて助かりました~」

「「「「「いやいやいやいやいやいやいやいやいや」」」」」


こうして何事も無く今日の仕事が終わり午後6時、ヒロシの予想通りそれはやって来た。

目の前がグネグネに歪み再びあの転移が始まったのだ。


そして、見覚えのあるその場所は『アーリア』であった。


「なっ?!あっ貴方は?!」

「姫様、何故またこいつが?!」

「こ、殺せ!こいつがいる限り勇者召還は失敗するぞ!」


兵士たちが一斉に槍を突き出してくる。

だが・・・


「遅ぇよ!」


ヒロシはそれをまるで踊るようにすり抜け兵士たちのズボンのベルトを全て外してそこに立っていた。

そのあまりにも凄い技に一同唖然とするのだが・・・


「ゆ・・・勇者様?」


アーリアの姫がそう言ってきたので・・・


「あぁん?!お前ら俺が弱いって言って追い出したよな?!」

「そ・・・それは・・・」

「まぁいい、魔王だっけか?そいつは倒してやるよ。ただし報酬はこの国の財産半分だ!」

「なっ?!」

「それが俺にお前らがした仕打ちの対価だ!」


そう言ってヒロシは城から出て行く・・・

そして、そこでまた移転が始まる。



これはヒロシが9つの異世界を1日1時間ずつ順に巡りその世界を改変していく物語・・・

1日8時間仕事して9時間異世界で頑張って7時間日常を送る不思議な話・・・


「あっやべっ!タツヤで借りてたAV返却期限今日までだ?!」


毎日転移をする度に全能力が2倍になる彼は1日に全能力が512倍になると言うとんでもないチート能力を駆使して瞬く間に全世界最強となるだろう・・・

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