エロ本のせいで魔王が生まれた世界の真実

お読みいただく前に、こちらの作品は・・・


『魔王を倒して来いと言われて家を追い出されたが山田君から借りたエロ本がベットの下だ』

『篠崎に貸したエロ本が帰ってこないから魔王になって世界を滅ぼす!』

の2作品をお読みいただいた上で読んで頂けると幸いかと想います。










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繁華街の明るさがまるで昼間の様に感じる。

その中を珍しく懐かしの友人に誘われて歩く一人の男が居た。

彼の名前は『篠崎 勇者』今年で53になるおっさんだ。


「いらっしゃいませ~」


指定された居酒屋『酒乱』に入り店内を探す。

一人の男が手を上げて勇者を招いていた。

実に久しぶりに会う同級生の『山田』だ。


「おぅ、篠崎来たか」

「なんだよ突然呼び出して」

「まぁ久しぶりの再会だとりあえず飲もうぜ、おばちゃん!生いっちょ!」

「あいよっ」


店員と親しいのか山田は軽いノリで注文を済ませ俺はその向かいに座った。


「ここは良く来るのか?」

「あぁ、最近息子と飲みに出るようになってな。ここをお勧めされてから良く来てるんだ」


久しぶりだったので忘れていたが俺たちの息子同士も同級生だった。


「名前は確か・・・『山田 魔王』だったか?」

「おぅ、覚えやすくていい名前だろ?」


俺の同級生『山田 太郎』の息子である『山田 魔王』は東京工業大学を卒業後、世界でも有名な大企業に就職し世界制服をするとか叫んでいた面白いやつだった。


「っで、今日呼んだのは息子の事か?」

「いや、孫だ・・・」

「そうか・・・今年で13か・・・」


なんの縁なのか俺たちの息子も孫も同級生と言うではないか。

そして、俺達にはとある事象があった。

俺が13歳の誕生日の日に見た夢・・・

竹薮で拾ったエロ本を返さなかった事で山田太郎が魔王になってそれを倒しに王様に言われて旅に出た。

そして、山田太郎をカッターナイフで倒したところでその夢は終わった。

起きたら俺は全裸で寝ていて俺の親父が机の上に山田太郎のエロ本が置かれていた事件だ。


そして、それから20年後・・・

俺達の息子が今度は本当に13歳の誕生日に全く同じタイトルのエロ本を巡って山田太郎の息子、山田魔王が本物の魔王になって俺の息子、『篠崎 真司』にカッターナイフで刺され謎の力で時間を巻き戻し無かった事にしたと言う話だ。

これだけなら嘘だろうと思ったが20年前に見た夢の事もあり俺たちは信じてしまったのだ。

そして、それから更に20年後の今年・・・


「その目は理解したようだな。拾ってお前の孫に半年前に渡したそうだ。」

「まさか!?同じ本なのか?!」

「あぁ・・・一体どう言う事なんだろうな・・・」


酒を飲みながら俺達は色々と考える・・・

1冊のエロ本を巡って親子3代に渡って起こっているこの事件・・・

だが俺たちが知らないだけで俺達の前の世代でもあったことなのかもしれない・・・


「とりあえずこれ・・・」


そう言って山田が出したのはあのエロ本『世界パンティー大全ムラムラカッターシャツから透けるパンツは最高天国』の新品だった。


「お前コレ・・・」

「今年発売されたらしい・・・」

「マジか・・・」


世界にはまだまだ謎が残っている・・・

全てを解明出来るとは思わないがとりあえず・・・


「借りていっていいか?」

「あぁ、お前の息子にも見せてやれ」

「そうするよ・・・」


そう言って俺は料金を支払い店を後にする・・・

1冊のエロ本に隠された謎・・・

それは知らない方が幸せなことなのかもしれない・・・


「これ付属はDVDだったのか・・・20年前すらDVD再生できないじゃないか・・・」


世界の不思議って面白いな・・・




----- 完 -----




っとまぁ3部作お読み頂きありがとうございました。

今回、適当でアホな内容にも関わらず色々とアイデアを詰め込み叙述トリックに挑戦してみました。

単発で読めばスッと読めて笑える作品、深く読み込めば驚ける作品に出来てるといいんですがどうですかね?

個人的にですがこういう凄い技術をアホな事に全力で使って分かる人に分かるモノを作るのって大好きなんですよねwww

それではまた別の作品でお会いしましょう。


あっもし宜しければ感想なんか頂けると嬉しいですwww

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